普段使っているGoogle Chromeを開いたら、「あれ?フォントが変わってる…」と感じたことはありませんか?慣れ親しんだフォントが突然変わってしまうと、読みにくくて作業効率が下がってしまいますよね。
特に日本語フォントが明朝体になってしまったり、英語フォントが見慣れないものに変わってしまうと、「どうやって元に戻せばいいの?」と困ってしまう方も多いはずです。
この記事では、Chromeのフォントが変わってしまう原因から、Windows・Mac別の具体的な解決方法まで、わかりやすく解説します。ITサポートの現場で実際に対応している解決策をもとに、誰でも簡単に元のフォントに戻せる方法をご紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。
Chromeのフォントが変わる主な原因

Chromeのフォントが突然変わってしまう現象には、いくつかの主要な原因があります。まずは原因を特定することで、適切な解決策を選択できます。
Windows/Macのシステムフォント変更
最も多い原因は、OS側のシステムフォント設定が変更されることです。WindowsやmacOSのアップデート時に、デフォルトフォントが変更されたり、フォントの優先順位が変わったりすることがあります。
Windows 10から11へのアップグレード時や、macOSの新バージョンへの更新後に、システム全体のフォントレンダリングが変更され、それがChromeにも影響を与えるケースが報告されています。
Chrome拡張機能の影響
フォント変更系の拡張機能を新たにインストールしたり、既存の拡張機能がアップデートされたりすることで、意図しないフォント変更が発生することがあります。
特に以下のような拡張機能は、フォント設定に影響を与える可能性があります:
- フォント置換系拡張機能
- 読書支援ツール
- ダークモード系拡張機能
- 広告ブロッカー(一部)
フォント設定の変更
Chrome自体のフォント設定が、何らかの理由で変更されてしまうケースもあります。これは手動での変更だけでなく、他のソフトウェアの影響や、同期設定による変更なども含まれます。
Google アカウントの同期機能により、他のデバイスでのフォント設定変更が反映されてしまうことも考えられます。
システムアップデートの影響
OSやChromeのアップデート時に、フォント関連の設定がリセットされたり、新しいデフォルト設定が適用されたりすることがあります。
特にChromeの大型アップデート時には、フォントレンダリングエンジンの変更により、見た目が変わることがあります。
フォントが変わった時の確認方法

フォントが変わった原因を特定するために、まずは現在の設定状況を確認しましょう。
現在のフォント設定を確認する手順
- Chromeを開き、右上の三点メニューをクリック
- 「設定」を選択
- 左側メニューの「デザイン」をクリック
- 「フォント」の項目を確認
ここで表示されているフォント名をメモしておきましょう。標準的な日本語環境では、以下のフォントが一般的です:
- 標準フォント: メイリオ、游ゴシック、ヒラギノ角ゴシック
- Serif フォント: Times New Roman、游明朝
- Sans-serif フォント: Arial、メイリオ
拡張機能の影響をチェックする方法
拡張機能が原因かどうかを確認するには、シークレットモードでChromeを開いてみましょう。
- Ctrl+Shift+N(Windows)またはCmd+Shift+N(Mac)でシークレットモードを開く
- 同じWebサイトを開いて、フォントが正常に表示されるか確認
- 正常に表示される場合、拡張機能が原因の可能性が高い
さらに詳しく調べる場合は:
- 右上の三点メニューから「その他のツール」→「拡張機能」
- 各拡張機能を一時的に無効化して、フォント表示を確認
- 問題の拡張機能を特定
システムフォントの状態確認
Windows の場合:
- 「設定」→「個人用設定」→「フォント」
- インストールされているフォントを確認
- 「フォント設定の復元」オプションの有無を確認
Mac の場合:
- 「システム環境設定」→「一般」
- 「フォント」の設定を確認
- Font Book アプリでフォントの状態を確認
Chromeのフォントを元に戻す方法【Windows版】
Windows環境でChromeのフォントを元に戻す方法を、段階的に説明します。
Chrome設定からフォントを変更する手順
最も基本的で効果的な方法です。
- Chrome設定を開く
- 右上の三点メニュー → 「設定」をクリック
- アドレスバーに「chrome://settings/」と入力してもOK
- フォント設定にアクセス
- 左側メニューの「デザイン」をクリック
- 「フォント」セクションを探す
- フォント設定を変更
- 「フォント サイズ」: 中(推奨)
- 「標準フォント」: メイリオ または 游ゴシック
- 「Serif フォント」: Times New Roman または 游明朝
- 「Sans-serif フォント」: Arial または メイリオ
- 「等幅フォント」: Consolas または MS ゴシック
- 詳細設定(必要な場合)
- 「フォント設定をカスタマイズ」をクリック
- 各言語別のフォント設定を調整
システムフォントを復元する方法
Chrome設定だけでは解決しない場合、Windows側のフォント設定を確認しましょう。
- Windows設定を開く
- スタートメニュー → 「設定」(歯車アイコン)
- またはWindows + I キーを押下
- フォント設定にアクセス
- 「個人用設定」→「フォント」
- または検索ボックスに「フォント」と入力
- フォント設定を確認・修正
- 「利用可能なフォント」で日本語フォントが正常に表示されているか確認
- 問題があるフォントを見つけたら、「削除」してから再インストール
- システムフォントのリセット
- 「関連設定」の「フォント設定の復元」をクリック
- システムを再起動
レジストリを使った高度な修正方法
注意:レジストリの編集は慎重に行ってください。事前にバックアップを取ることを強く推奨します。
- レジストリエディタを開く
- Windows + R キーを押し、「regedit」と入力してEnter
- 管理者権限で実行
- フォント設定のレジストリキーを確認
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Fonts
- Chrome関連のフォント設定を確認
HKEY_CURRENT_USER\Software\Google\Chrome\PreferenceMACs\Default
- 問題のあるエントリを削除または修正
- 明らかに異常な値があれば削除
- 標準値に戻す
この方法は技術的な知識が必要なため、不安な場合は専門家にご相談ください。
Chromeのフォントを元に戻す方法【Mac版】
Mac環境でのフォント修正方法を説明します。
Chrome設定での修正手順
- Chrome設定を開く
- 右上の三点メニュー → 「設定」
- または Chrome メニュー → 「環境設定」
- フォント設定にアクセス
- 左側メニューの「デザイン」
- 「フォント」セクション
- Mac推奨フォント設定
- 「標準フォント」: ヒラギノ角ゴシック ProN または San Francisco
- 「Serif フォント」: Times New Roman または ヒラギノ明朝 ProN
- 「Sans-serif フォント」: Helvetica または ヒラギノ角ゴシック ProN
- 「等幅フォント」: Monaco または Menlo
macOSシステム設定での対処法
- システム環境設定を開く
- Apple メニュー → 「システム環境設定」
- macOS Ventura以降は「システム設定」
- フォント関連設定を確認
- 「一般」→ フォント設定を確認
- 「アクセシビリティ」→ 「ディスプレイ」でフォント設定を確認
- Font Book での確認
- アプリケーション → Font Book を開く
- 問題のあるフォントを無効化または削除
- 「ファイル」→「フォントを復元」でシステムフォントを復元
フォントキャッシュのクリア方法
Macではフォントキャッシュが原因で表示が正しくない場合があります。
- Terminal でキャッシュクリア bash
sudo atsutil databases -remove sudo atsutil server -shutdown sudo atsutil server -ping
- 手動でキャッシュファイルを削除
- Finder で「移動」→「フォルダへ移動」
~/Library/Caches/com.apple.ATS/
に移動- ATS関連ファイルを削除
- システム再起動
- 変更を確実に反映させるため、Macを再起動
フォント変更を防ぐ予防策
今後同じ問題が発生しないよう、予防策を講じましょう。
定期的なバックアップの重要性
フォント設定のバックアップを定期的に取っておくことで、問題発生時の復旧が簡単になります。
- Chrome設定のバックアップ
- ブックマークマネージャーで設定をエクスポート
- 同期設定を有効にしてGoogle アカウントに保存
- システムフォント設定のバックアップ
- Windowsの場合:システム復元ポイントを作成
- Macの場合:Time Machine バックアップを有効化
- カスタムフォント設定の記録
- 現在のフォント設定をスクリーンショットで保存
- 設定値をテキストファイルに記録
拡張機能の管理方法
フォント関連の拡張機能は慎重に管理しましょう。
- 拡張機能の定期的な見直し
- 使用していない拡張機能は削除
- 信頼できる開発者の拡張機能のみ使用
- 拡張機能の設定確認
- フォント変更系拡張機能の設定を定期的に確認
- 自動アップデートの設定を適切に管理
- 問題のある拡張機能の特定
- 新しい拡張機能をインストール後は動作確認
- 問題発生時の拡張機能使用履歴を記録
システムアップデート時の注意点
OSやChromeのアップデート時に注意すべきポイントです。
- アップデート前の準備
- 現在のフォント設定をバックアップ
- 重要な作業は事前に保存
- アップデート後の確認
- フォント表示が正常か確認
- 問題があれば早めに対処
- 自動アップデートの設定
- Chromeの自動アップデートを適切に設定
- OS のアップデート通知を有効化
トラブルシューティング【解決しない場合】

上記の方法でも解決しない場合の対処法をご紹介します。
Chromeのリセット方法
Chrome設定を完全にリセットする方法です。
- 設定のリセット
- Chrome設定 → 「詳細設定」→「リセットとクリーンアップ」
- 「設定を元の既定値に戻す」をクリック
- 確認画面で「設定のリセット」をクリック
- リセット後の確認事項
- ブックマークは保持される
- 拡張機能は無効化される
- 保存されたパスワードは保持される
- フォント設定は初期値に戻る
完全な再インストール手順
Chromeを完全に削除して再インストールする方法です。
Windows の場合:
- コントロールパネル → プログラムと機能 → Google Chrome をアンインストール
%LOCALAPPDATA%\Google\Chrome
フォルダを削除- 公式サイトから最新版をダウンロード・インストール
Mac の場合:
- アプリケーションフォルダからChromeを削除
~/Library/Application Support/Google/Chrome
を削除- 公式サイトから最新版をダウンロード・インストール
専門家への相談タイミング
以下の場合は、専門家への相談を検討しましょう。
- 技術的な問題
- レジストリ編集が必要だが知識がない
- システムファイルの破損が疑われる
- 複数のアプリケーションで同様の問題が発生
- 業務への影響
- 業務用PCで問題が発生している
- 複数台のPCで同じ問題が発生
- セキュリティソフトとの競合が疑われる
- 相談先の選択
- 社内IT部門
- PCサポート業者
- Microsoft/Apple サポート
- Google Chrome サポート
よくある質問(FAQ)
フォントが勝手に変わる原因は?
最も多い原因は以下の通りです:
- システムアップデート: WindowsやmacOSのアップデート時にフォント設定が変更される
- 拡張機能: フォント変更系の拡張機能が影響している
- Chrome設定の同期: 他のデバイスでの設定変更が同期されている
- フォントファイルの破損: システムフォントファイルが破損している
元のフォントがわからない場合は?
以下の方法で確認できます:
- Windows標準: メイリオ、游ゴシック、MS ゴシック
- Mac標準: ヒラギノ角ゴシック ProN、San Francisco
- Chrome初期設定: 設定をリセットすると初期値に戻る
- 他のブラウザで確認: EdgeやSafariで同じサイトを開いて比較
他のブラウザでも同じ問題が起こる?
はい、システムフォントが原因の場合は他のブラウザでも発生する可能性があります:
- システムフォント変更: 全てのアプリケーションに影響
- ブラウザ固有の設定: Chrome独自の設定が原因の場合は他のブラウザは正常
- 拡張機能: Chrome拡張機能が原因の場合は他のブラウザは正常
フォント設定が保存されない場合は?
以下の原因が考えられます:
- 権限の問題: 管理者権限でChromeを実行してみる
- ファイルの破損: Chrome設定ファイルが破損している
- セキュリティソフト: セキュリティソフトが設定変更を阻害している
- ディスク容量: 十分な空き容量があるか確認
日本語フォントが表示されない場合は?
以下の手順で確認・修正してください:
- フォントのインストール確認: 日本語フォントが正しくインストールされているか
- 言語設定の確認: Chrome設定で日本語が優先言語に設定されているか
- エンコーディング設定: 自動検出が有効になっているか確認
企業環境での一括設定方法は?
企業環境では以下の方法が効果的です:
- グループポリシー: Windowsのグループポリシーでフォント設定を統一
- Chrome管理コンソール: Google Admin Consoleでブラウザ設定を管理
- マスターイメージ: 設定済みのPCイメージを作成・配布
モバイル版Chromeでもフォント変更は可能?
モバイル版では制限があります:
- Android: 一部のフォント設定は可能だが、PCほど自由度は高くない
- iOS: システムフォントに依存し、Chrome独自の設定は限定的
- 代替案: システム設定でフォントサイズやアクセシビリティを調整
フォント変更による表示崩れの対処法は?
表示崩れが発生した場合の対処法:
- ズームレベルの調整: Ctrl+0でズームをリセット
- キャッシュクリア: 閲覧データを削除してページを再読み込み
- CSS設定の確認: 開発者ツールでフォント適用状況を確認
- 互換性の確認: 選択したフォントがWebフォントと競合していないか確認
専門家が解説するフォント管理のベストプラクティス
長年IT サポートに携わってきた経験から、フォント管理におけるベストプラクティスをご紹介します。
安定性を重視したフォント選択
フォント選択では、見た目の美しさだけでなく、システムの安定性も重要です。
推奨フォントの基準:
- OS標準フォント: システムに最初からインストールされているフォント
- 広く使用されているフォント: 多くの環境で動作実績があるフォント
- 定期的に更新されているフォント: 開発者によるサポートが継続されているフォント
避けるべきフォント:
- 古すぎるフォント: サポートが終了している可能性が高い
- 非標準的なフォント: 特殊な環境でのみ利用可能なフォント
- ライセンスが不明なフォント: 法的な問題を避けるため
複数デバイス環境での統一設定
現代では複数のデバイスでWebブラウジングを行うため、デバイス間でのフォント設定統一が重要です。
Google同期機能の活用:
- Chrome設定の同期を有効化
- 各デバイスで同じGoogleアカウントを使用
- 同期項目にフォント設定を含める
デバイス固有の考慮点:
- Windows PC: 業務用途中心の読みやすさ重視
- Mac: デザイン性と機能性のバランス
- モバイル: 小画面での可読性最優先
企業環境での統一管理
企業環境では、セキュリティと効率性を両立した管理が求められます。
統一設定のメリット:
- サポート効率の向上: 同じ設定なのでトラブル対応が簡単
- ユーザビリティの統一: 誰でも同じ環境で作業可能
- セキュリティの向上: 不正なフォントのインストールを防止
実装方法:
- Active Directory: グループポリシーでフォント設定を配布
- Google Workspace: Chrome管理コンソールで設定統一
- マスターイメージ: 標準設定を含むPCイメージを作成
パフォーマンスを考慮したフォント設定
フォント設定は、ブラウザのパフォーマンスにも影響を与えます。
パフォーマンス向上のポイント:
- システムフォント優先: OSに最適化されたフォントを使用
- フォント数の制限: 必要最小限のフォントのみインストール
- キャッシュの活用: フォントキャッシュを効率的に利用
避けるべき設定:
- 過度に装飾的なフォント: 処理が重くなる可能性
- 大量のカスタムフォント: メモリ使用量が増大
- 頻繁なフォント変更: システムリソースの無駄遣い
まとめ:Chromeのフォントが変わった時の解決法
Chromeのフォントが突然変わってしまう問題は、適切な手順で対処すれば確実に解決できます。最も重要なのは、原因を正確に特定することです。
解決の基本手順:
- 現在のフォント設定を確認
- 拡張機能の影響をチェック
- Chrome設定からフォントを修正
- 必要に応じてシステムフォントを確認
- 予防策を講じる
今後の対策:
- 定期的なバックアップ
- 拡張機能の適切な管理
- システムアップデート時の注意
この記事でご紹介した方法を試しても解決しない場合は、より専門的な知識が必要な可能性があります。そのような場合は、無理をせず専門家にご相談することをお勧めします。
快適なブラウジング環境を維持するために、ぜひこの記事を参考にしてください。フォント設定が正常に戻り、以前と同じ読みやすい環境でWebサイトを閲覧できることを願っています。