Google Chromeを日常的に使っている方の中には、ある日突然Webページの文字が「見にくい」「読みづらい」と感じた経験があるかもしれません。
特にバージョン128以降のアップデート後にそのような違和感を覚えた場合、フォント設定が自動的に変更されたことが原因の一つと考えられます。
本記事では、Chromeのフォントにどんな変更が加わったのか、設定の確認方法や従来の見た目に戻す手順をわかりやすく解説していきます。
快適な閲覧環境を維持するためにも、一度フォント設定を見直してみましょう。
なぜChromeのフォントが変わったのか?

Chromeのバージョン128から、使用しているOSのフォント環境に合わせて自動的にブラウザ内のフォントが切り替わる仕様が導入されました。
Ver.128以降の主な変更内容
このアップデートにより、Windowsにインストールされているフォント情報を参照し、Chromeの表示フォントが自動で調整されるようになっています。
特に「Noto Sans JP」や「BIZ UDGothic」などが導入されている環境では、これらがデフォルトで使用されるケースが見られます。
視認性を高める意図での変更ですが、長年「Meiryo」などのフォントに慣れ親しんできたユーザーにとっては、微妙な違いが違和感として現れることがあります。
フォント変更による違和感の正体とは?
フォントが変わると、文字の太さや行間、文字同士の間隔などが微妙に変化します。
たとえば「Noto Sans JP」は読みやすいデザインではあるものの、これまで使われていたフォントと比べて、文字がやや重たく感じられる場合もあります。
さらに、フォントによってアンチエイリアスのかかり方や字形のバランスが異なるため、同じ文章でも全体の印象が大きく変わって見えることがあります。
Chromeのフォント設定を確認する方法

まず最初に、現在Chromeで使用されているフォントが何かをチェックしておくことが大切です。
現在の設定内容を把握することで、違和感のある表示がどこから来ているのかを見極めやすくなります。
Chromeの設定画面を開く手順
Chromeの右上にあるメニューアイコン(三点リーダー)をクリックし、「設定」を選びます。
次に、左側のメニューから「デザイン」を選択し、その中の「フォントをカスタマイズ」をクリックしてください。
または、アドレスバーに chrome://settings/fonts
と直接入力することで、フォント設定画面へすぐにアクセスすることも可能です。
このページでは、標準フォント、Serif、Sans Serif、固定幅フォントといった、各フォントの現在の設定を一覧で確認できます。
「フォントをカスタマイズ」で確認すべきポイント
「フォントをカスタマイズ」画面では、フォントの種類だけでなく、サイズや最小フォントサイズなどの調整も可能です。
中でも「標準フォント」や「Sans Serifフォント」の設定は、Webサイトの本文表示に大きく影響を与えるため、優先的に確認しておきたい項目です。
最近の環境では、初期設定で「Noto Sans JP」や「BIZ UDGothic」などが選ばれていることがあります。
これらは視認性に優れたフォントですが、以前のバージョンで慣れていたフォントとの違いから違和感を覚える方もいるでしょう。
以前のフォント設定に戻す方法
表示の違和感が気になる場合は、以前のフォント構成に手動で戻すことで、見慣れた表示に近づけることができます。
おすすめの旧フォント構成(例:Meiryoなど)
従来のChromeでは、「Meiryo」「Yu Mincho」「MS Gothic」といったWindowsに標準で搭載されているフォントが多く使われていました。
これらのフォントは、画面上での読みやすさや安定性が高く、特に「Meiryo」はディスプレイ表示に最適化されていることでも知られています。
また、モノスペースフォントとして「MS Gothic」を設定しておくことで、コードや表形式の表示も見やすくなります。
これらの構成に切り替えることで、以前のChromeと同じような表示感に近づけることが可能です。
各フォントの設定手順
- 「フォントをカスタマイズ」画面を開きます。
- 各フォント項目のプルダウンから以下のように設定します。
- 標準フォント:Meiryo
- Serifフォント:Yu Mincho
- Sans Serifフォント:Meiryo
- 固定幅フォント:MS Gothic
- 設定は保存ボタンを押さなくても自動的に反映されます。
設定を変更したら、表示の変化を確認するために一度Webページを再読み込みしてみてください。
フォント設定を変えても表示が変わらないときの対処法
Chromeのフォント設定を変更したのに、Webページの表示に変化が見られないことがあります。
こうした場合、ブラウザ側の設定以外に原因がある可能性があります。
サイト側のCSSによる影響
一部のWebサイトでは、デザインの一環としてCSS(カスケーディングスタイルシート)で表示フォントが固定されています。
特に「font-family」プロパティで明示的にフォントを指定している場合、ユーザーが変更したブラウザ側の設定は反映されません。
このようなケースでは、Chromeのフォント設定をいくら変更しても表示に変化は現れず、Webサイト側の設定が優先されてしまいます。
この仕様はWebデザイン上の一般的な挙動であり、表示が変わらない理由として最も多い原因の一つです。
複数のWebページで確認することが重要
フォント設定を変更したあと、その効果を確認するためには、複数のWebサイトをチェックしてみることが大切です。
ニュースサイト、ブログ、ECサイトなど、異なるジャンルやデザインのページを開いて比較するとわかりやすいでしょう。
サイトによってはユーザー側のフォント設定を反映する設計になっているため、表示が変わるページと変わらないページがあります。
全体的な表示感を正確に把握するためには、複数サイトで確認するのが効果的です。
フォント設定を変更する前に押さえておきたいポイント

フォントをカスタマイズする前に、いくつかの注意点を把握しておくことで、万が一の際にも元の状態に戻しやすくなります。
現在のフォント設定をメモしておく
設定を変更する前に、現在使用されているフォントの構成をメモしておくことをおすすめします。
Chromeには「フォント設定だけを初期状態に戻す」機能が用意されていないため、一度設定を変えてしまうと、元の状態に戻すのが難しくなることがあります。
とくに初期設定は、OSのバージョンやインストールされているフォントによって異なるため、変更前に記録を残しておくことが再設定時の手助けになります。
Chromeのリセット機能では元に戻らない場合も
Chromeには設定をリセットする機能がありますが、これを使ってもフォント設定が完全に初期状態に戻るとは限りません。
たとえば、Noto系フォントに切り替えたあとに設定をリセットしても、変更されたフォントがそのまま維持されるケースがあります。
元通りの表示を再現したい場合は、手動で各フォント設定を変更し直す必要があります。
そのためにも、やはり事前に元の設定をメモしておくことが非常に重要です。
OSのフォント環境もチェックしよう
Chromeのフォント表示は、ブラウザの設定だけでなく、使用しているWindowsのバージョンやPCにインストールされているフォントにも左右されます。
そのため、同じChromeのバージョンでも、環境によって表示の見た目が異なることがあります。
Windows 10と11で異なる標準フォント
Windows 10とWindows 11では、初期状態で利用できるフォントに違いがあります。
たとえば、Windows 11では「BIZ UDGothic」が標準フォントとして含まれており、Chrome Ver.128ではこれが自動的に固定幅フォントとして適用されることがあります。
一方で、Windows 10では「MS Gothic」など、以前から使用されているフォントが選ばれる場合もあります。
こうしたOSごとのフォント構成の違いが、Chromeで表示される文字の印象に影響を与える要因となっています。
Notoフォントの有無が表示に影響?
「Noto Sans JP」や「Noto Serif JP」は、Googleが開発した視認性の高い日本語フォントです。
しかし、これらはWindowsに標準で搭載されているわけではないため、自分でインストールしない限り利用できません。
とはいえ、NotoフォントがPCにインストールされている状態でChromeをアップデートすると、自動的にデフォルトフォントとして採用されることがあります。
このような挙動の違いは、ChromeがOS環境と連動してフォントを調整しているために起こるものです。
実際のフォント表示を比較してみよう

どのフォントが見やすいかを判断するには、実際にそれぞれのフォントで表示された文章を比較してみるのが一番です。
NotoフォントとMeiryo系フォントの違い
「Noto Sans JP」や「Noto Serif JP」は、シャープで洗練された印象のあるフォントです。
一方、「Meiryo」や「Yu Mincho」は、これまで長く使われてきた馴染みのあるフォントで、柔らかく親しみやすい雰囲気が特徴です。
フォントを切り替えるだけで、文字の太さや行間のバランスが変わるため、同じ文章でも読みやすさに違いが出てきます。
自分の用途や好みに合わせて、最適なフォントを選びましょう。
太さ・高さ・字間が変わる理由
フォントごとに、文字のサイズ感や間隔には微妙な違いがあります。
例えば「Noto Sans JP」は、文字の形が均整で読みやすい反面、フォントによってはやや太めに見えることもあります。
一方で、「MS Gothic」などは細身で文字間が詰まっているため、コンパクトに感じられます。
さらに、WebブラウザではCSSのfont-family
指定やアンチエイリアス(滑らか表示)の処理にも影響を受けるため、実際の表示結果に差が出るのです。
【まとめ】フォントの見た目はOSとChromeの連携で変わる
Chromeのバージョンアップに伴うフォントの変更は、見た目の違和感につながることがあります。
とくに「Noto」系フォントに切り替わることで、文字の印象が大きく変わったと感じるユーザーも少なくありません。
フォント設定を変更する際には、現在の構成をあらかじめ記録しておき、複数のWebページで表示を比較しながら調整するのが理想的です。
また、OSに搭載されているフォントやCSSの影響も考慮に入れながら、自分にとって最も読みやすい環境を整えましょう。