2026年9月23日、韓国消費者院が、ネットで売られている「触感おもちゃ」15製品を調べたところ、9製品から有害物質が見つかったと発表しました。日本で「スクイーズ」と呼ばれる種類のおもちゃも含まれますが、同じ製品が日本で売られているかどうかは、確認時点(2026年9月時点)では分かっていません。
そのうえで、今日からできる確認は3つです。「対象年齢と安全マークの表示を見る」「電子レンジなどで温めない」「肌や目に異常が出たら使うのをやめる」。この記事では、検査結果の中身を整理したうえで、日本で買ったものと韓国で買ったもの、それぞれの確認方法をまとめます。
韓国消費者院の検査結果|15製品中9製品から有害物質
調査の対象は、韓国のオンラインで売られていた触感おもちゃ15製品です。内訳は2種類あります。ワックスで表面を固めて、割って遊ぶボール「왁뿌볼(ワックプボール)」が8製品。手でつぶして、もちもちした感触を楽しむ「말랑이(マルランイ)」が7製品です。日本の報道では、この2種類がまとめて「スクイーズ」と呼ばれています。
| 種類 | 調べた数 | 見つかったもの | 指摘されているおそれ |
|---|---|---|---|
| 왁뿌볼(ワックスで固めた割るボール) | 8製品 | 8製品すべてから、韓国の玩具基準で使用が禁止されている防腐剤(MIT・CMIT)。うち1製品は、ホウ素の溶け出す量が基準の約1.3倍 | 防腐剤:アレルギー性の皮膚反応、目の刺激。ホウ素:消化器や代謝への影響 |
| 말랑이(もちもち系スクイーズ) | 7製品 | 1製品から、フタル酸系可塑剤が0.66%(基準は0.1%以下で、その6.6倍) | 内分泌のかく乱、肝臓・腎臓への影響 |
合計すると、有害物質が見つかったのは15製品中9製品(왁뿌볼8製品+말랑이1製品)です。日本の一部の報道では「9種類から防腐剤」と伝えられています。しかし韓国の報道で示された内訳を見る限り、防腐剤が見つかったのは왁뿌볼の8製品で、可塑剤が基準を超えたのは말랑이の1製品です。
「14歳以上」と表示して、子ども向けの基準から外れていた
韓国では、13歳以下の子どもが使うおもちゃに安全基準を守ることが義務づけられています。ところが、15製品中14製品は対象年齢を「14歳以上」と表示しており、この基準の対象外でした。それでも実際には子どもが使う可能性が高いとして、韓国消費者院はおもちゃの安全基準を当てはめて検査しています。
表示の面でも問題がありました。15製品中8製品で、モデル名・製造年月・輸入者名・対象年齢などの表示が不十分だったと報じられています。
製品名やブランド名は公表されている?
今回確認した日本語と韓国語の報道では、具体的な製品名やブランド名は確認できませんでした。韓国消費者院は販売業者と輸入業者に改善を勧告し、多くの業者が販売中止や表示の改善を回答したと報じられています。特定のブランドが該当するかどうかは、韓国消費者院の公式発表で確認するのが確実です。
日本で売られているスクイーズは大丈夫?今の時点で言えること
結論からいうと、現時点では「日本の製品も危ない」とも「日本の製品なら安心」とも言えません。理由は2つあります。
- 今回の検査対象は韓国のオンラインで売られていた製品です。同じものが日本で流通しているかどうかは、発表や報道からは分かりません。
- 見つかった物質は成分検査で分かったものです。見た目や触り心地では判断できません。
日本の読者が特に気をつけたいのは、韓国旅行のおみやげと、海外通販やフリマアプリで買ったスクイーズです。こうした製品は、日本の安全マークがついているかどうか分からないまま手元に届きやすいので、次に紹介する表示のチェックが役に立ちます。
日本のおもちゃの安全マークと規制|韓国のKC認証との違い
韓国消費者院は、おもちゃを買うときに韓国の安全認証である「KC認証マーク」を確認するよう呼びかけています。日本で似た役割を果たす表示や制度は、次のとおりです。
| 表示・制度 | 対象 | どんなものか | 見るポイント |
|---|---|---|---|
| KC認証マーク(韓国) | 韓国で販売される製品 | 韓国の製品安全認証 | 韓国で買うときに確認する(韓国消費者院の呼びかけ) |
| STマーク | 14歳以下の子ども向けおもちゃ | 玩具業界が自主的に決めた基準。第三者機関が、形・強度・燃えやすさ・化学的な性質を検査します | 対象年齢と一緒に表示されています |
| 子供PSCマーク | 3歳未満向けのおもちゃ | 法律で表示が義務です(2025年12月25日以降に製造・輸入されたもの) | それより前に作られた製品にはマークがないこともあるので、その場合はSTマークを確認します |
| 食品衛生法の「指定おもちゃ」 | 6歳未満向けのおもちゃ | 法律による規格基準です。一部のフタル酸エステルは、可塑化された部分に0.1%を超えて含むことが禁止されています(マークの表示はありません) | パッケージの対象年齢を確認します |
ここで押さえておきたいのは、法律で化学的な基準が決められているのは主に乳幼児向けのおもちゃだということです。小学生向けとして売られるおもちゃの化学的な安全性については、玩具業界の関係者が「6〜14歳向けをカバーしているのはSTマークだけ」だと説明しています。
ただし、STマークがないからといって、その製品が危険だという意味ではありません。STマークは「第三者の検査に合格した」というひとつの判断材料と考えるのがよいと思います。なお、今回問題になった防腐剤(MIT・CMIT)が日本のおもちゃでどう扱われているかは、今回確認した資料では確認できませんでした。
家にあるスクイーズの確認チェックリスト(まずここだけ)
子どもがすでに持っているもの、これから買うものは、次の順番で見てみてください。
- 対象年齢の表示:子どもが使うのに「14歳以上」などと書かれていないか。今回は、14歳以上と表示して子ども向けの基準から外れていた製品がほとんどでした。
- 安全マーク:日本で買ったものはSTマーク(3歳未満向けなら子供PSCマーク)、韓国で買ったものはKC認証マークがあるか。
- 販売者・輸入者の表示:会社名、連絡先、製造年月が書かれているか。
- 注意書き:「高温注意」「食べられません」などの表示があるか。
- 製品の状態:破れや中身の漏れがあれば、子どもの手や口に触れないよう使うのをやめる。
- 使い方:電子レンジやドライヤーで温めない。遊んだあとは手を洗う。
表示が足りない製品が、すぐに有害だというわけではありません。ただ、何か問題があったときに問い合わせ先が分からない製品は、小さな子どもに渡すのは控えたほうが無難だと考えます。
スクイーズを電子レンジで温めるのは危険|韓国の加熱試験の結果
韓国消費者院は、말랑이7製品を1000Wの電子レンジで加熱する試験も行っています。4製品は25秒〜2分30秒で破裂し、7製品すべてで表面の温度が70.0〜171.2℃まで上がったと報じられています。
温めて柔らかくするような使い方は、やけどにつながるおそれがあります。子どもが自分で電子レンジを使える年齢なら、「スクイーズは温めない」と一度声をかけておくと安心です。
スクイーズをめぐる各国の動き(2026年)
| 時期 | 国・機関 | 内容 |
|---|---|---|
| 2026年6月 | 英国 製品安全・基準局(OPSS) | ギョーザ型のスクイーズから基準を超えるベンゼンが検出され、リコールを公表 |
| 2026年7月 | 韓国消費者院 | 말랑이をめぐる健康被害の訴えを受けて、安全性の調査に着手したと報道 |
| 2026年9月10日 | 韓国 | クレーンゲームの景品から、フタル酸系可塑剤が最大で基準の347.5倍検出されたと報道 |
| 2026年9月23日 | 韓国消費者院 | 触感おもちゃ15製品中9製品から有害物質が見つかったと発表 |
いずれも海外の事例です。日本国内で同じような調査結果が出たという情報は、今回確認した範囲では見つかりませんでした。
よくある質問
日本で買ったスクイーズも危ないの?
今回の発表だけでは判断できません。検査されたのは韓国のネットで売られていた製品で、日本の製品と同じものかどうかは公表されていません。対象年齢、STマーク、販売者の表示を確認し、表示がはっきりしている製品を選ぶのが現実的な対策です。
子どもがスクイーズを触ってしまったけど大丈夫?
触ったことによる影響を個別に判断することはできません。韓国消費者院は、皮膚の発疹や呼吸が苦しいなどの異常が出たら、すぐに使うのをやめて医師に相談するよう呼びかけています。心配なときは手を洗い、症状が出たり続いたりする場合は医療機関に相談してください。
問題があったスクイーズの商品名は分かる?
今回確認した報道の範囲では、商品名やブランド名は出ていませんでした。特定の商品について知りたい場合は、韓国消費者院の公式発表を確認してください。
STマークがないスクイーズは買わないほうがいい?
STマークは任意の制度なので、マークがないことだけで危険とは言えません。ただ、第三者機関の検査を受けたかどうかは外からは分からないため、小さな子ども向けにはSTマークつきの製品を選ぶと判断材料が増えます。
まとめ|慌てて捨てる前に、表示と使い方を確認しよう
韓国で見つかった有害物質は、禁止防腐剤が왁뿌볼8製品、可塑剤の基準超えが말랑이1製品でした。日本の製品が同じかどうかはまだ分かっていないので、家にあるスクイーズをすぐに全部捨てる必要があるとは言えません。
まずは、対象年齢と安全マークの表示を見ること、温めないこと、異常が出たら使うのをやめること。この3つを家族で共有しておけば、今回のニュースへの備えとしては十分な一歩になると考えます。本記事は確認時点(2026年9月時点)の情報に基づいています。
参考にした情報
- FNNプライムオンライン、TBS NEWS DIG(2026年9月23日の報道)
- SBS、ファイナンシャルニュース、毎日日報など韓国メディアの報道(2026年9月23日)
- 政府広報オンライン「STマーク」、消費者庁「子供PSCマーク」関連ページ
- 厚生労働省「指定おもちゃにおけるフタル酸エステルの規格基準の取扱いに関するQ&A」
- 経済産業省 METI Journal、AERA DIGITAL(各国事例)

