「Googleパスワードマネージャーにパスキーを作成しますか、と出てきたけど、これが何なのか分からない」という方向けの記事です。結論から言うと、パスキーとは指紋認証・顔認証・画面ロックだけでログインできる、パスワード不要のログイン方法です。Googleパスワードマネージャーは、そのパスキーを保存し、複数の端末で使えるようにする仕組みにあたります。この記事では、公式情報をもとに仕組みと設定手順を順番に整理します(確認時点:2026年8月)。
パスキーとは何か
パスキーは、パスワードの代わりに使える新しいログイン方法です。作成すると、指紋認証・顔認証・スマートフォンの画面ロック(PINなど)のいずれかでGoogleアカウントにログインできるようになります。パスワードのように文字列を覚えたり入力したりする必要がなく、他人に共有したり書き留めたりすることもできないため、フィッシング詐欺への対策としても案内されています。
ここで誤解しやすいのが、「パスキーを作る=パスワードが使えなくなる」という点です。パスキーを作成するとパスキー優先(パスワードを使わない)ログイン方法に切り替わりますが、アカウントに設定済みのパスワードや復元方法が削除されるわけではありません。設定であとからパスワードによるログインへ戻すことも可能です。
Googleパスワードマネージャーとパスキーの関係
Googleパスワードマネージャーは、ChromeやAndroidに組み込まれた、パスワードとパスキーをまとめて管理するためのツールです。パスキーをGoogleパスワードマネージャーに保存すると、同じGoogleアカウントでログインしているChromeやAndroid端末であれば、どの端末からでもそのパスキーを使えるようになります。つまり「パスキー」が機能そのもの、「Googleパスワードマネージャー」がその保存・同期先という関係で理解すると分かりやすくなります。
パスキーを作る前に確認しておきたい条件
パスキーは古い端末やブラウザでは利用できない場合があります。設定を始める前に、以下の条件を満たしているか確認しておくとスムーズです。
| 項目 | 対応環境の目安 |
|---|---|
| パソコンOS | Windows 10、macOS Ventura、ChromeOS 109以降 |
| スマートフォンOS | Android 9、iOS 16以降 |
| ブラウザ | Chrome 109以降、Safari 16以降、Edge 109以降、Firefox 122以降 |
| その他 | スマートフォンの画面ロックをオンにしておく/iPhoneやMacはiCloudキーチェーンをオンにしておく |
比較すると、OSやブラウザのバージョンが古いままだとパスキーの作成画面自体が表示されないケースが多いため、まずは端末とブラウザを最新の状態にしておくのが確認ポイントです。
スマホ・パソコンでパスキーを作成する手順
最短で設定を終わらせたい場合は、次の手順で進めます。
- ブラウザでmyaccount.google.com/signinoptions/passkeysにアクセスする。
- 「パスキーを作成する」→「パスキーを作成」をタップまたはクリックする。
- 画面の指示に従って端末のロックを解除する(指紋認証・顔認証・PINなど)。
複数の端末でパスキーを使いたい場合は、使いたい端末ごとに同じ手順を繰り返す必要があります。1つの端末で作成しただけでは、他の端末に自動的にコピーされるわけではありません。
セキュリティキーでパスキーを作成する場合
指紋認証や顔認証ではなく、物理的なセキュリティキー(FIDO2対応)を使いたい場合は、少し手順が異なります。
- myaccount.google.com/signinoptions/passkeysにアクセスする。
- 「パスキーを作成する」→「別のデバイスを使用」をタップする。
- 画面の指示に従い、セキュリティキーを挿入してPINを入力するか、キーの指紋認証センサーに触れる。
なお、2023年5月より前にGoogleアカウントへ追加したFIDO2対応のセキュリティキーでパスキーを作る場合は、事前にそのキーをアカウントから一度削除しておく必要があるケースがある、と公式ヘルプで案内されています。
パスキーでログインする方法
設定が終わったら、次回以降は次の流れでログインできます。
- Googleのログインページを開き、ユーザー名を入力する。
- パスキーの候補が表示された場合は、使用するパスキーをタップする。
- そのデバイスでパスキーを作成済みであれば、指紋認証・顔認証・画面ロックの解除で本人確認を行う。
パソコンでログインする際にスマートフォンのパスキーを使いたい場合は、ログイン画面で「別の方法を試す」→「パスキーを使用」を選び、表示されたQRコードをスマートフォンのカメラで読み取ってから、スマートフォン側で指紋認証などによる本人確認を行う流れになります。この場合はパソコン・スマートフォン双方でBluetoothがオンになっている必要があります。
正しく設定できたか確認する方法
作成したパスキーがきちんと登録されているかは、次の手順で確認できます。
- myaccount.google.com/signinoptions/passkeysにアクセスする。
- 求められた場合は本人確認を行う。
- 登録済みのパスキーが一覧に表示されていれば設定は完了している。
なお、新しく作成したパスキーは、ログイン時に使えるようになるまで最大で7日ほどかかる場合がある、と公式ヘルプに記載されています。作成直後にログイン画面へすぐ反映されなくても、故障や失敗ではない可能性が高い点は覚えておくとよいでしょう。
よくある「分からない」つまずきと対処法
ここまでの手順を踏んでも、次のようなつまずきが起こりやすいポイントです。順番に確認してみてください。
- ログイン時にパスキーの候補が表示されない:パスキーを保存した端末で画面ロックがオンになっているか確認します。画面ロックがオフの端末では、その端末のパスキーは使用できません。
- 作成したのにログイン画面に反映されない:作成直後は反映まで最大7日ほどかかる場合があります。すでに信頼できるパスキーやセキュリティキーを持っている場合は、確認にかかる時間が短縮されることがあります。
- パスキーではなくパスワードでログインしたい:Googleアカウントの「セキュリティとログイン」から「可能な場合はパスワードをスキップ」をオフにすると、ログイン時にパスワード入力が求められる状態に戻せます。
- 共有端末やネットカフェのパソコンで誤って作成してしまった:パスキーを作成すると、そのデバイスのロックを解除できる人なら誰でもアカウントにアクセスできる状態になります。共有端末で作成してしまった場合は、次の削除手順を参考にすぐに削除することをおすすめします。
パスキーを削除する方法
紛失した端末のパスキーや、誤って共有端末に作成してしまったパスキーは、次の手順で削除できます。
- Googleアカウントにアクセスし、「セキュリティとログイン」を開く。
- 「Googleにログインする方法」の中から「パスキーとセキュリティキー」をタップする。
- 削除したいパスキーを選び、削除アイコンをタップする。
Android端末で自動的に作成されたパスキーについては、「お使いのデバイス」の「すべてのデバイスを管理」から該当の端末をログアウトすることで削除する流れになります。同じ端末名で複数のセッションが表示される場合は、すべてログアウトしておくと安心です。
設定前に知っておきたい注意点
- パスキーは、必ず自分が所有し普段使っている端末でのみ作成する。人の端末や共有パソコンでは作成しない。
- パスキーを作成すると、Googleアカウントからログアウトしていても、その端末のロックを解除できる人ならアカウントにアクセスできる状態になる。
- 学校や職場のGoogle Workspaceアカウントの場合、管理者の設定によってはパスキーだけでのログインができないことがある。
- 不審なパスキーが検出されると無効化され、Googleから通知が届く。通知を受け取ったら、自分で追加したものかどうかを確認する。
コピーして使えるチェックリスト
□ 端末のOS・ブラウザが対応バージョン以降になっている
□ スマートフォンの画面ロックをオンにしている(iPhone/Macの場合はiCloudキーチェーンもオン)
□ 自分専用の端末で作成しようとしている(共有端末ではない)
□ 複数端末で使いたい場合は、端末ごとに作成する予定である
□ 作成後、myaccount.google.com/signinoptions/passkeysで登録状況を確認する予定である
よくある質問
パスキーを作成すると、今までのパスワードは使えなくなりますか?
使えなくなるわけではありません。パスキーを作成すると「パスキー優先」のログイン方法に切り替わりますが、アカウント設定で「可能な場合はパスワードをスキップ」をオフにすれば、パスワードでのログインに戻せます。
Googleパスワードマネージャーとパスキーは同じものですか?
別のものです。パスキーはログイン方法そのもの、Googleパスワードマネージャーはそのパスキーを保存・同期するための機能という関係です。
パスキーを作成したのに、ログイン画面に出てきません。なぜですか?
画面ロックがオフになっている、作成直後で反映まで時間がかかっている、といった原因が考えられます。反映まで最大7日ほどかかる場合があるとされています。
スマートフォンを機種変更したら、パスキーはどうなりますか?
この点について公式ヘルプでは明確な標準手順が案内されていないため、機種変更前に新しい端末でもパスキーを作成し直しておくか、パスワードなど別のログイン手段を必ず確認できる状態にしておくことをおすすめします。
まとめ|まず何から始めればよいか
パスキーが「分からない」と感じる一番の理由は、パスワードとの違いが曖昧なまま設定画面に出てくることにあります。仕組みとしては、パスキー=指紋や顔認証でログインできる新しい方法、Googleパスワードマネージャー=その保存・同期先、と切り分けて理解すれば迷いにくくなります。まずは自分の端末が対応環境を満たしているかを確認し、myaccount.google.com/signinoptions/passkeysから1台だけ試しに作成してみるところから始めるとよいでしょう。
