最近、「配送先情報が不明のため、お荷物を配達できませんでした。」といった内容のショートメッセージを受け取る人が増えています。このようなメッセージは、特に宅配業者を利用する機会が多い人にとって、見過ごしがたい内容となっています。
多くの場合、このようなメッセージには「郵便局携帯番号」という違和感のある表現が含まれていたり、怪しいリンクが記載されているのが特徴です。正規の配送業者であれば、公式アプリやウェブサイトを通じて連絡することが一般的であるため、SMSでこのような通知を受け取った場合は注意が必要です。
本記事では、こうしたメッセージが詐欺の可能性があるのかを詳しく解説し、受け取った際にどのように対応すべきかについても紹介します。さらに、実際の被害事例や、類似するフィッシング詐欺の手口についても触れ、より安全に対処するためのポイントを解説していきます。
「配送先情報が不明」のSMSが急増中!
最近、SNS上で「0200」から始まる番号からの怪しいメッセージについての投稿が急増しています。多くの人がこのようなSMSを受け取り、不審に思っているようです。
このメッセージの特徴として、まず目立つのは不審なリンクの存在です。例えば、「hxxps://t[.]co/6XFXmQ0nlI」といった短縮URLが記載されており、クリックを促すような内容になっています。こうした短縮URLは、フィッシング詐欺の手口としてよく使われるため、注意が必要です。
また、類似のメッセージも複数報告されています。その中には、「荷物が郵便局に到着しました。情報入力をお願いします。hxxps://t[.]co/xmhfDNG0tA」などの文章が含まれており、受信者を信じ込ませようとする内容になっています。
さらに、これらのメッセージには共通点があり、「配送先情報が不明」や「お荷物が配達できませんでした」といった、荷物の配送に関する緊急性を煽る表現が使われています。これにより、受信者が焦ってリンクをクリックしてしまう心理を狙っている可能性があります。
最近では、こうした詐欺の手口が巧妙化しており、詐欺メッセージが本物と見分けがつきにくくなっています。たとえば、送り主の表示名に「郵便局」や「宅配業者の名前」を使用している場合もあり、受信者が疑うことなくメッセージを開いてしまうケースが増えています。
このようなメッセージの受信報告が増加していることを踏まえると、詐欺の可能性が極めて高いと考えられます。実際に、日本郵便や宅配業者も公式サイトで注意喚起を行っており、特に短縮URLを含むSMSには十分警戒するよう呼びかけています。
不審なURLを解析してみると…
報告されている「t[.]co/6XFXmQ0nlI」という短縮URLをツール「Where Goes」で解析したところ、最終的に「hxxps://post[.]japanpostb[.]cloud/jp/」というサイトに誘導されることが判明しました。
一見すると「japanpost」という単語が含まれており、日本郵便の公式サイトのように見えますが、「[.]cloud」という拡張子は日本郵便の公式ドメインとは異なります。
さらに、このサイトのIPアドレスを調査したところ、海外のサーバーを経由していることが確認されました。日本郵便の公式サイトは国内のサーバーを利用しているため、この点でも疑わしさが増します。
また、ページのデザインやロゴが公式サイトと酷似しているものの、細部を見るとフォントの違いやリンク先の不一致など、不自然な点が多く見られました。特に、問い合わせフォームにアクセスすると、不正なスクリプトが動作し、個人情報を入力すると第三者に送信される仕組みになっている可能性があります。
このような詐欺サイトは、受信者の個人情報を盗み取る目的で作られているケースがほとんどです。一度情報を入力してしまうと、詐欺業者にデータを悪用されるリスクがあるため、決してアクセスしないように注意が必要です。
日本郵便がSMSで不在通知を送ることはない
さらに、日本郵便は公式サイトで「SMSによる不在通知は行っていない」と明言しています。そのため、もし「郵便局からのメッセージ」を受け取った場合は、それが偽物であると判断するのが安全です。
また、日本郵便の公式な通知に使われるドメインには「.net」や「.top」は含まれません。もしこれらのドメインが入ったリンクを見かけた場合は、詐欺の可能性が高いので、決してクリックしないようにしましょう。
実際、日本郵便は公式に「フィッシング詐欺対策」を呼びかけており、偽のSMSやメールに関する具体的な事例を紹介しています。例えば、実際に確認された詐欺メッセージには「不在通知」「再配達依頼」といった文言が使われており、正規の案内と紛らわしい表現がされています。
さらに、詐欺メッセージのリンク先は本物そっくりの偽サイトである場合が多く、見た目では判別が難しいこともあります。こうしたサイトでは、ログイン情報や個人情報を入力するよう求められるケースが多く、一度情報を入力すると、詐欺グループにデータを盗まれるリスクがあります。
日本郵便の正規のサイトでは、「不在通知は公式アプリや追跡番号検索を利用することを推奨」とされており、SMSでの通知を送ることは基本的に行われません。つまり、公式サイト以外での通知はすべて疑うべきだと考えておくのが安全でしょう。
また、郵便局を名乗る偽の電話による詐欺も報告されています。「配達員を装って訪問し、不在票のQRコードを読み取らせる」「電話で再配達の手続きを案内する」などの手口もあり、SMSだけでなく、不審な電話にも注意が必要です。
怪しいメッセージを受け取ったらどうする?
もしこのような不審なSMSを受け取った場合、以下の対応をおすすめします。
1. リンクを絶対にクリックしない
- 不審なリンクは個人情報を抜き取る目的で設置されています。
- 一見すると正規のサイトに見えても、実際には詐欺サイトである可能性が高いため、リンクをタップする前にURLをしっかり確認しましょう。
2. メッセージは開いたらすぐ削除する
- 迷惑メールや詐欺SMSは、内容を読むだけでも不安をあおるものが多く、心理的に焦らせる仕掛けがされています。
- そのため、内容を読んで不安になる前に、メッセージを開いたらすぐに削除しましょう。
3. 不審なメッセージが届いたことを、家族や周囲の人にも共有する
- 特に高齢者やスマホ操作に慣れていない方は、詐欺の手口を知らずに騙される可能性があります。
- 家族や友人と情報を共有し、怪しいメッセージが届いたらどう対応すべきかを周知することが大切です。
4. 万が一、リンクを開いてしまった場合は、個人情報を入力せずにページを閉じる
- もし誤ってリンクをクリックしてしまっても、個人情報(氏名、住所、クレジットカード情報など)を絶対に入力しないことが重要です。
- 画面上に警告や支払いを求めるメッセージが表示されても、指示に従わず速やかにページを閉じましょう。
- 既に個人情報を入力してしまった場合は、すぐに関係機関(銀行やカード会社など)に連絡し、対応を相談してください。
【まとめ】「配送先情報が不明」怪しいショートメッセージに要注意!
「配送先情報が不明」というSMSは、詐欺の可能性が非常に高いことがわかりました。特に、
- 「郵便局携帯番号」など不自然な表現が含まれている
- 短縮URLや怪しいリンクが記載されている
- 日本郵便の公式ドメインと異なるサイトに誘導される
- 受取人を焦らせ、即座に対応を求める内容になっている
こうした特徴があるメッセージは、すぐに削除するのが賢明です。また、こうした詐欺の手口は日々巧妙化しているため、同様のメッセージを見かけたら、すぐに公式サイトでの確認や関係機関への報告を行うことが重要です。
さらに、こうした詐欺を防ぐために、スマホのフィルタリング機能を活用したり、セキュリティソフトを導入することも効果的です。特に、知らない番号からのメッセージには細心の注意を払い、少しでも怪しいと感じたら、家族や友人と情報を共有することで被害を防ぐことができます。
皆さんの安全を守るためにも、日頃から不審なメッセージには十分注意し、周囲にも情報を共有するようにしましょう。もし被害に遭った場合は、すぐに警察や消費者センターに相談し、被害の拡大を防ぐための対策を講じることが大切です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!