「分かりづらい」と「分かりずらい」、どっちが正しいか迷ったことはありませんか?
メールを書いているとき、資料を作成しているとき、ブログを執筆しているとき…「あれ?どっちだっけ?」と手が止まってしまう経験は多くの人にあるはずです。
実は、この疑問を抱く人は非常に多く、インターネットで頻繁に検索される日本語の問題の一つです。間違った表記を使ってしまうと、読み手に不適切な印象を与えたり、文章の信頼性が損なわれる可能性もあります。
この記事では、「分かりづらい」と「分かりずらい」のどっちが正しいのか、なぜ間違えやすいのか、正しい使い分けルールまで、包括的に解説します。
【結論】「分かりづらい」が正しい!間違いやすい理由も解説
結論から言うと、正しいのは「分かりづらい」です。「分かりずらい」は誤用です。
なぜ「分かりづらい」が正しいのか
「分かりづらい」が正しい理由は、現代仮名遣いのルールに基づいています。
この言葉は以下の構造でできています:
- 「分かる」(動詞の語幹:分かり)
- 「づらい」(接尾語)
現代仮名遣いでは、語と語の境界が明確な複合語において、後ろの語が「た行」の濁音で始まる場合、その音に対応する仮名を用いることが規定されています。
「分かりずらい」が間違いである理由
正しい表記 | 間違った表記 | 理由 |
---|---|---|
分かりづらい | 分かりずらい | 「づらい」は独立した接尾語のため |
読みづらい | 読みずらい | 動詞+づらいの構造 |
書きづらい | 書きずらい | 語境界が明確な複合語 |
「づらい」は接尾語として独立した語彙的意味を持っているため、「ずらい」と表記することはできません。
なぜ「分かりずらい」と間違えてしまうのか?
多くの人が「分かりずらい」と間違えてしまう理由は以下の通りです。
1. 発音が同じ
現代日本語において、「づ」と「ず」の発音は全く同じ[zu]です。聞いただけでは区別ができないため、音だけを頼りに書くと間違えてしまいます。
2. 「ず」の使用頻度が高い
日常的に使用される「ず」に比べて、「づ」を使用する機会は限られています。そのため、「づ」の正しい使い方に慣れていない人が多いのです。
3. 視覚的な類似性
「づ」と「ず」は文字として非常に似ており、特に手書きの場合は区別が困難です。
4. 教育機会の不足
学校教育において、「づ」と「ず」の使い分けを詳しく学ぶ機会は限られており、明確なルールを理解していない人が多いのが現状です。
「づ」と「ず」の正しい使い分けルール
「づ」と「ず」の使い分けには、明確なルールがあります。
基本原則
基本的には「ず」を使用 大部分の場合、[zu]の音は「ず」で表記します。
例:水(みず)、図(ず)、頭(あたま)、涼しい(すずしい)
特定の条件で「づ」を使用 以下の2つの条件に該当する場合のみ「づ」を使用します。
1. 同音の連呼
「つ」の音が連続する場合
- 続く(つづく)
- 綴る(つづる)
- 縮む(ちぢむ)
2. 語と語の境界が明確な複合語
- 気付く(きづく):「気」+「つく」
- 鼻血(はなぢ):「鼻」+「血」
- 手作り(てづくり):「手」+「作り」
「動詞+づらい」のパターン
動詞の連用形に「づらい」が続く場合は、必ず「づ」を使用します。
動詞 | 正しい表記 | 間違った表記 |
---|---|---|
読む | 読みづらい | 読みずらい |
書く | 書きづらい | 書きずらい |
歩く | 歩きづらい | 歩きずらい |
飲む | 飲みづらい | 飲みずらい |
着る | 着づらい | 着ずらい |
使う | 使いづらい | 使いずらい |
「分かりづらい」の語源と成り立ち
「分かりづらい」を正しく理解するには、その語源を知ることが重要です。
語の構造
「分かりづらい」は以下の要素から構成されています:
「分かる」
- 物事の意味や内容を理解する動詞
- 古くは「解る」「判る」とも表記
「づらい」
- 動作や状態が困難であることを表す接尾語
- 古語「つらし」(辛い)が語源
「づらい」の特徴
困難性の表現
何かを行うことが難しい、困難であることを表現します。
主観的な感情
単純な不可能性ではなく、行為者の主観的な感情や感覚を表現します。
程度の調節が可能
「非常に分かりづらい」「少し分かりづらい」など、副詞と組み合わせて程度を表現できます。
ビジネス・文章作成での正しい使い方
ビジネスシーンでの「分かりづらい」の適切な使用方法を解説します。
メール・報告書での使用例
顧客への説明メール
「お送りいただいた資料の一部に分かりづらい箇所がございます。つきましては、以下の点についてご説明いただけますでしょうか。」
社内報告書
「現在の業務フローは新入社員にとって分かりづらい構造となっているため、改善案を検討いたします。」
プロジェクト会議の議事録
「A案は実装方法が分かりづらいため、より詳細な技術仕様書の作成が必要です。」
読み手に配慮した表現方法
謙虚な表現
「私には分かりづらい部分があります」のように、自分の理解力に問題があることを示唆する表現を使用します。
建設的な提案を含む
単に「分かりづらい」と指摘するだけでなく、改善提案も含めましょう。
例:「この部分が分かりづらいため、図表を追加していただけると理解しやすくなります」
場面別の適切な表現
場面 | 推奨表現 | 例文 |
---|---|---|
カジュアル | 分かりづらい、分かりにくい | この説明、ちょっと分かりづらいね |
ビジネス | 理解しにくい、把握しづらい | こちらの資料は理解しにくい部分があります |
公式文書 | 理解困難、把握困難 | 当該箇所は理解困難な記述となっております |
よくある間違いパターンと正しい表記一覧
「づらい」以外にも、間違えやすい「づ」「ず」の表記をまとめました。
「づらい」パターンの正しい表記
正しい表記 | よくある間違い | 覚え方 |
---|---|---|
分かりづらい | 分かりずらい | 分かり+づらい |
読みづらい | 読みずらい | 読み+づらい |
書きづらい | 書きずらい | 書き+づらい |
歩きづらい | 歩きずらい | 歩き+づらい |
飲みづらい | 飲みずらい | 飲み+づらい |
着づらい | 着ずらい | 着+づらい |
使いづらい | 使いずらい | 使い+づらい |
言いづらい | 言いずらい | 言い+づらい |
その他の混同しやすい表現
「づ」を使う例
- 気づく(きづく):「気」+「つく」
- 続く(つづく):「つ」の連呼
- 手作り(てづくり):「手」+「作り」
- 鼻血(はなぢ):「鼻」+「血」
「ず」を使う例
- 図(ず)
- 水(みず)
- 頭(あたま)
- 涼しい(すずしい)
簡単な覚え方・記憶法
語の分解法
複合語を見つけたら、元の語に分解して考えましょう。 「分かりづらい」→「分かり」+「づらい」
「つ」から始まる接尾語は「づ」
「づらい」「づくり」など、「つ」から始まる接尾語は「づ」を使います。
辞書活用法
迷った時は辞書で確認する習慣をつけましょう。スマートフォンの辞書アプリも活用できます。
【FAQ】「分かりづらい vs 分かりずらい」でよくある質問
よく寄せられる質問とその回答をまとめました。
Q1. 「分かりずらい」は完全に間違いですか?
A. はい、現代仮名遣いの規則に従うと「分かりずらい」は間違いです。
ただし、インターネット上では「分かりずらい」という表記も見かけますし、意味は通じます。しかし、公式文書、ビジネス文書、学術論文などでは「分かりづらい」を使用すべきです。
正しい表記を使うことで、文章の信頼性と読み手への印象が向上します。
Q2. 話し言葉でも「分かりづらい」を使うべき?
A. 話し言葉においても「分かりづらい」が正しい表現です。
ただし、日常会話では「分かりにくい」を使う人も多く、これも正しい表現です。場面に応じて使い分けましょう:
- カジュアルな会話:「分かりにくい」が自然
- やや改まった会話:「分かりづらい」も適切
- プレゼンテーション:「理解しにくい」がより適切
Q3. なぜ学校でしっかり教えてくれないの?
A. 学校教育では基本的な「づ」「ず」の区別は教えますが、時間的制約もあり詳細まで扱えないのが現状です。
また、音が同じなので理解が困難な部分でもあります。大切なのは、社会人になってからも継続的に正しい日本語を学ぶ意識を持つことです。
Q4. ワープロソフトで自動修正されませんか?
A. 多くのワープロソフトやスマートフォンの入力システムでは、ある程度の自動修正機能があります。
ただし、完璧ではないため、最終的には自分で正しい表記を確認することが重要です。校正機能や文章校正サービスも活用しましょう。
Q5. 他にも間違えやすい「づ」「ず」はありますか?
A. はい、他にもよく間違えられる例があります:
「づ」を使う例:
- 続く(つづく)※「つずく」は間違い
- 気づく(きづく)※「きずく」は間違い
- 手作り(てづくり)※「てずくり」は間違い
「ず」を使う例:
- 図(ず)
- 水(みず)
- 涼しい(すずしい)
覚え方のコツは、語の構造を理解することです。
まとめ:正しい日本語で信頼される文章を
「分かりづらい」と「分かりずらい」の正しい使い分けについて解説してきました。
重要なポイント
✅ 正しいのは「分かりづらい」 「分かりずらい」は誤用です。
✅ 語の構造を理解する 「分かり」+「づらい」の複合語として認識しましょう。
✅ ビジネスでは特に重要 正しい日本語は信頼性と専門性を示します。
✅ 継続的な学習が大切 日本語は複雑なので、意識的な学習を続けましょう。
実践的な覚え方
- 語の分解を意識:複合語を見つけたら元の語に分解して考える
- 辞書の活用:迷った時は必ず辞書で確認
- 校正ツールの活用:文章作成後は校正機能を使用
- 良質な文章を読む:正しい表記に自然に慣れる
正しい日本語を使うことは、相手への敬意を示し、自分の信頼性を高める重要な要素です。「分かりづらい」という表記一つから、日本語の奥深さと美しさを感じていただけたでしょうか。
今日から「分かりづらい」を正しく使って、より良いコミュニケーションを心がけましょう。