PR

「仰げば尊し」の意味と卒業式で歌われなくなった背景

「仰げば尊し」の意味と卒業式で歌われなくなった背景 雑学

かつて卒業式の定番曲として広く歌われていた「仰げば尊し」。しかし、最近ではその光景を目にすることが少なくなっています。この曲が卒業式で歌われなくなった理由には、時代の変化や歌詞の内容が関係しているようです。

この記事では、「仰げば尊し」の歴史的背景や歌詞の現代語訳を通じてその意味を紐解き、歌われなくなった理由について詳しく解説します。

▶楽天タイムセール
▶Amazonでセールしているアイテム
▼みんなが買っているのはコレ▼
Amazonセール中アイテム

「仰げば尊し」とその歴史的背景

最初に、「仰げば尊し」の楽曲と、その歴史的背景について調べました。

唱歌「仰げば尊し」とは

「仰げば尊し(あおげばとうとし)」は、1884年(明治17年)に発表された日本の伝統的な唱歌です。長らく卒業式の定番曲として親しまれてきましたが、意外にもその作詞者や作曲者は不明とされています。

発見されたアメリカ起源の楽曲

2011年、日本で知られる「仰げば尊し」の原曲に当たる楽曲が発見されました。それは1871年にアメリカで発表された「Song for the Close of School」という曲です。

  • 作詞:T・H・ブロスナン
    学校の校長を務めた後、保険業界で活躍したとされますが、その詳細な経歴は不明です。
  • 作曲:H・N・D
    作曲者に関してもほとんど情報がありません。

この楽曲のタイトルは「学校教育の終わりのための歌」といった意味で、内容も学校生活や友人との別れをテーマにしています。

原曲の英語歌詞と和訳

以下に「Song for the Close of School」の歌詞とその和訳を紹介します。

1番

  • 英語原文:
    We part today to meet, perchance,
    Till God shall call us home;
    And from this room we wander forth,
    Alone, alone to roam.
  • 和訳:
    「私たちは今日ここで別れますが、神が私たちを招くその日まで、また会うことを願います。ここから、それぞれ自分の道を歩み始めます。」

2番

  • 英語原文:
    Farewell old room, within thy walls
    No more with joy we’ll meet;
    Nor voices join in morning song,
    Nor ev’ning hymn repeat.
  • 和訳:
    「さらば、親しみ深い教室。もうこの壁の中で共に喜びを分かち合うことも、朝や夕の歌を歌うこともありません。」

3番

  • 英語原文:
    Farewell to thee we loved so well,
    Farewell our schoolmates dear;
    The tie is rent that linked our souls
    In happy union here.
  • 和訳:
    「さらば、愛しい教室。そして親愛なる学友たち。ここで結ばれた絆が解かれ、それぞれの道を歩む時が来ました。」

「仰げば尊し」の歌詞と現代語訳

この歌詞を現代的に訳すとこんな感じになります?!

1番

  • 歌詞
    仰げば尊し わが師の恩
    教えの庭にも はや幾年
    思えばいと疾し この年月
    今こそ別れめ いざさらば
  • 現代語訳
    「尊敬する先生方への感謝を歌い、過ぎ去った年月の速さを振り返ります。そして、今、別れの時が訪れたことを宣言します。」

2番

  • 歌詞
    互いに睦し 日頃の恩
    別るる後にも やよ忘るな
    身を立て名をあげ やよ励めよ
    今こそ別れめ いざさらば
  • 現代語訳
    「仲間たちと過ごした日々を振り返り、互いを忘れずに励まし合うことを願います。社会での成功を目指しながら、それぞれの未来へ向かう決意を表しています。」

3番

  • 歌詞
    朝夕馴れにし 学びの窓
    蛍の灯火 積む白雪
    忘るる間ぞなき ゆく年月
    今こそ別れめ いざさらば
  • 現代語訳
    「学びの場で積み重ねた努力を象徴的に描き、その日々を決して忘れないようにと呼びかけています。」

「仰げば尊し」が卒業式で歌われなくなった理由

では、なぜこの歌が卒業式で歌われなくなっていったのでしょうか?いい歌だと思うのですが。

歌詞の難解さ

「仰げば尊し」の歌詞には古語や旧時代の表現が多く含まれています。現代の学生にとっては馴染みがなく、理解が難しい部分があるため、選ばれにくくなっています。

時代に合わない表現

歌詞の中には「身を立て 名をあげ」といった立身出世を奨励する表現があります。このような言葉が軍国主義や封建的な価値観を連想させるとされ、現代の価値観には合わないという指摘もあります。

新しい卒業ソングの登場

1980年代以降、卒業をテーマにしたJ-POPやポップソングが多く登場し、学生たちに支持されるようになりました。これらの曲は現代的な感覚で卒業生の気持ちに寄り添う内容であるため、卒業式の選曲として定着しています。

まとめ

「仰げば尊し」が卒業式で歌われる機会が減ったのは、歌詞の古さや時代背景が影響しています。しかし、その歌詞に込められた感謝や学びへの思いは、今なお重要なメッセージを伝えています。

卒業式は時代と共に変化していきますが、それぞれの場で卒業生にとって意味のある形が求められていると言えるでしょう。

タイトルとURLをコピーしました