Windows 11の最新大型アップデート「24H2」がリリースされ、多くのユーザーが「自分のPCは対応しているのか?」という不安を抱えています。特にCPUの対応状況については、Microsoft公式の情報が複雑で分かりにくく、「アップデートしたらPCが動かなくなるのでは?」という心配の声が後を絶ちません。
実際に、Windows 11のシステム要件は従来のWindowsと比較して厳格になっており、特に24H2では新たなセキュリティ機能や AI機能の追加により、一部の古いCPUでは正常に動作しない場合があります。しかし、対応状況を正しく理解すれば、安心してアップデートを実行することができます。
この記事では、Windows 11 24H2に対応するCPUの詳細な一覧と、誰でも簡単にできる確認方法を分かりやすく解説します。さらに、非対応の場合の具体的な対処法や、アップデート時のトラブル回避策まで、2026年最新の情報に基づいて包括的にお伝えします。
現在お使いのPCがWindows 11 24H2に対応しているかどうかを確実に判断し、安全にアップデートを実行するための完全ガイドとしてご活用ください。技術的な知識がない方でも理解できるよう、専門用語は分かりやすく説明し、実際の画面キャプチャと合わせて手順を紹介しています。
Windows 11 24H2 / 25H2アップデートの全体像は「Windows 11 24H2 / 25H2アップデート完全ガイド|違い・対応CPU・不具合まで総まとめ【最新版】」をご覧ください。
Windows 11 24H2の基本システム要件
Windows 11 24H2では、従来のWindows 11の要件に加えて、新たなAI機能やセキュリティ強化に対応するためのより厳格な要件が設定されています。
プロセッサ(CPU)の基本要件
CPUに関する基本要件は以下の通りです:
Intel系CPU
- 第8世代Intel Core(Coffee Lake)以降
- 1 GHz以上で動作する64ビット対応プロセッサ
- 2コア以上の構成
AMD系CPU
- AMD Ryzen 2000シリーズ(Zen+アーキテクチャ)以降
- 1 GHz以上で動作する64ビット対応プロセッサ
- 2コア以上の構成
Qualcomm系CPU
- Snapdragon 850以降
- ARM64アーキテクチャ対応
これらの要件は、Windows 11 24H2の新機能であるCopilot AI機能やWindows Studio Effectsなどを適切に動作させるために設定されています。
24H2で強化された要件
24H2では特に以下の点で要件が強化されています:
AI処理能力: 新しいAI機能を利用するには、NPU(Neural Processing Unit)を搭載したCPUまたは十分な性能のGPUが推奨されます。NPU非搭載でも基本機能は利用可能ですが、一部のAI機能は制限される場合があります。
セキュリティチップ要件: TPM 2.0チップの搭載が必須となり、従来よりも厳格にチェックされます。また、Secure Boot機能が有効である必要があります。
対応CPU一覧【Intel・AMD・Qualcomm別】
Intel対応CPU一覧
以下に、Windows 11 24H2に対応するIntel CPUの詳細な一覧をご紹介します。
第8世代Intel Core(Coffee Lake)
- Core i3-8100, i3-8300, i3-8350K
- Core i5-8400, i5-8500, i5-8600, i5-8600K
- Core i7-8700, i7-8700K
- Core i9-8950HK(モバイル)
第9世代Intel Core(Coffee Lake Refresh)
- Core i3-9100, i3-9300, i3-9350K, i3-9350KF
- Core i5-9400, i5-9500, i5-9600, i5-9600K, i5-9600KF
- Core i7-9700, i7-9700K, i7-9700KF
- Core i9-9900, i9-9900K, i9-9900KF
第10世代Intel Core(Comet Lake / Ice Lake)
- 全モデル対応(デスクトップ・モバイル共)
- Core i3-10100からCore i9-10980XEまで
第11世代Intel Core(Tiger Lake / Rocket Lake)
- 全モデル対応
- 特にTiger Lake世代ではAI機能のパフォーマンスが向上
第12世代Intel Core(Alder Lake)
- 全モデル対応
- P-coreとE-coreのハイブリッド構成により24H2の新機能を最適化
第13世代Intel Core(Raptor Lake)
- 全モデル対応
- 24H2のAI機能を最大限活用可能
第14世代Intel Core(Raptor Lake Refresh)
- 全モデル対応
- NPU搭載モデルでは全AI機能が利用可能
AMD対応CPU一覧
AMD製CPUについても、Windows 11 24H2に対応するモデルを世代別にご紹介します。
AMD Ryzen 2000シリーズ(Zen+)
- Ryzen 3 2200G, 2300X
- Ryzen 5 2400G, 2500X, 2600, 2600X
- Ryzen 7 2700, 2700X, 2700E
- Ryzen Threadripper 2920X, 2950X, 2970WX, 2990WX
AMD Ryzen 3000シリーズ(Zen 2)
- 全モデル対応
- 7nmプロセスによる高効率でWindows 11機能を最適化
AMD Ryzen 4000シリーズ(モバイル向けZen 2)
- 全モデル対応
- モバイル環境での24H2新機能を効率的に実行
AMD Ryzen 5000シリーズ(Zen 3)
- 全モデル対応
- IPC向上により24H2の応答性が大幅改善
AMD Ryzen 6000シリーズ(Zen 3+)
- 全モデル対応
- 統合GPUでのAI処理機能を強化
AMD Ryzen 7000シリーズ(Zen 4)
- 全モデル対応
- 5nmプロセスと新アーキテクチャで最高のパフォーマンス
AMD Ryzen 8000シリーズ(Zen 4/Zen 4c)
- 全モデル対応
- NPU搭載により24H2のAI機能をフル活用
Qualcomm対応CPU一覧
ARM系CPUとして、Qualcomm製プロセッサも重要な選択肢となっています。
対応モデル
- Snapdragon 850
- Snapdragon 8cx シリーズ
- Snapdragon 8c
- Microsoft SQ1, SQ2, SQ3
これらのARM系CPUは、主にSurface Pro XなどのMicrosoft製デバイスや一部のノートPCに搭載されており、優れた電力効率とAI処理能力を提供します。
現在のCPUの確認方法【3つの手順】
自分のPCに搭載されているCPUを確認する方法を、難易度順に3つご紹介します。
方法1:システム情報での確認(最も簡単)
最も簡単で確実な方法です:
- Windowsキー + Iを押して「設定」を開く
- 左メニューから「システム」を選択
- 「詳細情報」をクリック
- 「デバイスの仕様」セクションで「プロセッサ」を確認
ここに表示される情報で、CPUの型番とアーキテクチャを確認できます。例えば「Intel(R) Core(TM) i7-12700K」と表示された場合、第12世代Intel Coreプロセッサであることが分かります。
方法2:コマンドプロンプトでの確認(中級者向け)
より詳細な情報を取得したい場合:
- Windowsキー + Rを押して「ファイル名を指定して実行」を開く
- 「cmd」と入力してEnterキーを押す
- コマンドプロンプトで「wmic cpu get name」と入力してEnter
- CPUの詳細な名称が表示される
このコマンドでは、CPUの正確なモデル名と仕様を確認できます。
方法3:PC Health Checkアプリでの総合確認(推奨)
Microsoft公式のPC Health Checkアプリを使用することで、CPU以外の要件も含めて総合的に確認できます:
- Microsoft公式サイトからPC Health Checkアプリをダウンロード
- アプリを起動し、「今すぐチェック」をクリック
- Windows 11対応状況が詳細に表示される
- 非対応の場合は具体的な理由も表示
このアプリでは、CPUだけでなくTPM 2.0やSecure Bootの状況も確認できるため、24H2への対応状況を包括的に把握できます。
非対応CPUでの対処法と回避策
CPUがWindows 11 24H2の要件を満たさない場合でも、いくつかの対処法があります。ただし、これらの方法にはリスクが伴うため、慎重に検討することが重要です。
対処法1:レジストリ編集による回避(上級者向け)
注意: この方法は自己責任で行ってください。レジストリの編集はシステムに深刻な問題を引き起こす可能性があります。
- Windowsキー + Rを押して「regedit」を入力
- レジストリエディタで以下のパスに移動:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\Setup\MoSetup - 右クリックで「新規」→「DWORD(32ビット)値」を選択
- 「AllowUpgradesWithUnsupportedTPMOrCPU」という名前で作成
- 値を「1」に設定
この設定により、非対応CPUでもアップデートが可能になる場合がありますが、システムの安定性やセキュリティに影響する可能性があります。
対処法2:Windows 10の継続利用
最も安全で現実的な選択肢は、Windows 10を継続利用することです:
Windows 10のサポート状況:
- メインストリームサポート:2025年10月14日まで
- 拡張セキュリティ更新(ESU):2028年まで利用可能(有償)
継続利用のメリット:
- 現在のハードウェアで安定動作
- セキュリティアップデートの継続提供
- 既存のソフトウェアとの高い互換性
対処法3:ハードウェアアップグレード
根本的な解決策として、対応ハードウェアへのアップグレードがあります:
CPU交換の検討ポイント:
- マザーボードとの互換性確認
- 電源容量の確認
- 冷却システムの対応状況
PC買い替えの検討基準:
- 現在のPC使用年数(5年以上の場合は買い替え推奨)
- 予算とコストパフォーマンス
- 業務要件や使用目的
CPU以外の重要システム要件
Windows 11 24H2では、CPU以外にも重要な要件があります。これらをすべて満たす必要があります。
メモリ(RAM)要件
最小要件: 4GB(64ビット) 推奨要件: 8GB以上 24H2推奨: 16GB以上(AI機能を快適に利用するため)
メモリ不足はシステム全体のパフォーマンスに大きく影響します。特に24H2の新しいAI機能は多くのメモリを消費するため、8GB以下の場合はアップグレードを検討してください。
ストレージ要件
最小空き容量: 64GB以上 推奨空き容量: 128GB以上 ストレージタイプ: SSD推奨(機械式HDDでも動作可能)
24H2では、新機能やアップデートファイルにより、従来より多くのストレージ容量が必要になります。
セキュリティ要件
TPM 2.0: 必須(Trusted Platform Module) Secure Boot: 対応が必要 UEFIファームウェア: Legacy BIOSは非対応
これらのセキュリティ機能は、Windows 11 24H2の新しいセキュリティ強化機能を有効にするために必要です。
グラフィック要件
DirectX 12対応: 必須 WDDM 2.0対応ドライバ: 必須 AI機能用: NPU搭載CPU、またはDirectX 12対応GPU推奨
24H2の新しいUI効果やAI機能を快適に利用するには、ある程度のグラフィック性能が必要です。
24H2アップデート時の注意点とトラブル対策
Windows 11 24H2へのアップデート時に注意すべき点と、トラブルが発生した場合の対策をご紹介します。
アップデート前の準備
データバックアップ: 重要なファイルの完全バックアップを実行 ドライバ確認: 最新のデバイスドライバの入手確認 互換性チェック: 使用中のソフトウェアの24H2対応状況確認
よくあるアップデートトラブル
インストール途中での停止:
- 原因:ストレージ容量不足、古いドライバとの競合
- 対策:不要ファイルの削除、ドライバの事前更新
アップデート後の動作不良:
- 原因:古いソフトウェアとの非互換性
- 対策:ソフトウェアの最新版への更新、互換モードでの実行
起動しない・ブルースクリーン:
- 原因:ハードウェア非互換、ドライバ問題
- 対策:セーフモードでの起動、システムの復元
トラブル発生時の復旧手順
- システムの復元
- 設定 → 更新とセキュリティ → 回復 → システムの復元
- 以前のビルドに戻す
- 設定 → 更新とセキュリティ → 回復 → 以前のビルドに戻す
- クリーンインストール
- Windows 11のインストールメディアを使用した完全再インストール
アップデート成功のためのチェックリスト
- [ ] CPUが対応リストに含まれている
- [ ] TPM 2.0が有効になっている
- [ ] Secure Bootが有効になっている
- [ ] 十分なストレージ容量がある(128GB以上推奨)
- [ ] 最新のドライバがインストールされている
- [ ] 重要データのバックアップが完了している
- [ ] 使用ソフトウェアの互換性を確認済み
よくある質問とトラブルシューティング
Q1: Windows 11 24H2はいつリリースされましたか?
A1: Windows 11 24H2は2024年10月にリリースされました。2026年現在、安定版として広く配布されており、Windows Updateを通じて自動的にアップデートが提供されています。ただし、ハードウェア要件を満たさないPCには配布されません。
Q2: 第7世代Intel Coreプロセッサは本当に使用できませんか?
A2: 公式には第7世代Intel Core(Kaby Lake)は対応外とされています。しかし、一部のユーザーはレジストリ編集により動作させていますが、Microsoft公式サポートの対象外となり、将来的なアップデートで問題が発生する可能性があります。長期利用を考えると、対応CPUへの交換またはPC買い替えが推奨されます。
Q3: AMD Ryzen 1000シリーズは使用できますか?
A3: AMD Ryzen 1000シリーズ(Zen アーキテクチャ)は公式対応外です。ただし、Ryzen 7 1700以上のモデルでは、非公式な方法でインストール可能な場合があります。しかし、安定性とセキュリティの観点から、Ryzen 2000シリーズ以降への買い替えをお勧めします。
Q4: NPU(Neural Processing Unit)がないCPUでもAI機能は使えますか?
A4: NPU非搭載のCPUでもWindows 11 24H2の基本的なAI機能は利用可能です。ただし、以下の制限があります:
- AI処理がCPUまたはGPUで実行されるため、処理速度が低下
- 一部の高度なAI機能は利用不可
- バッテリー持続時間の短縮(ノートPCの場合)
Q5: Windows 10からのアップデートは無料ですか?
A5: はい、Windows 10の正規ライセンスをお持ちの場合、Windows 11 24H2への無料アップデートが可能です。ただし、ハードウェア要件を満たしている必要があります。要件を満たさない場合、Windows 10は2025年10月まで無料サポートが継続されます。
Q6: TPM 2.0が搭載されていない場合の対処法は?
A6: 対処法は以下の通りです:
- UEFI/BIOSでの確認: TPM機能が無効になっている場合は有効化
- TPMモジュールの追加: マザーボードがサポートしている場合、TPMチップを追加購入・取り付け
- CPU内蔵TPM: 最新CPUの場合、ファームウェアTPMが利用可能
- PC買い替え: 古いPCの場合、新しいPC購入が最も現実的
Q7: 仮想マシンでWindows 11 24H2は動作しますか?
A7: 仮想マシンでもWindows 11 24H2は動作可能ですが、以下の条件を満たす必要があります:
- ホストOSのCPUが対応している
- 仮想TPM 2.0の有効化
- UEFIブートの設定
- 十分なメモリとストレージの割り当て VMware、Hyper-V、VirtualBoxなどの主要な仮想化ソフトウェアで対応しています。
まとめ:Windows 11 24H2 CPU対応の完全理解
Windows 11 24H2は、AIとセキュリティの強化により、これまで以上に厳格なハードウェア要件が設定されています。しかし、正しい知識と適切な準備があれば、安全にアップデートを実行することができます。
重要なポイントの再確認:
- 対応CPU: Intel第8世代以降、AMD Ryzen 2000シリーズ以降が基本要件
- 確認方法: システム情報、コマンドプロンプト、PC Health Checkアプリの3つの方法で確認可能
- 非対応の場合: Windows 10継続利用、ハードウェアアップグレード、または慎重な回避策の検討
- その他要件: TPM 2.0、Secure Boot、十分なメモリとストレージも必要
推奨される行動:
現在のPCのスペックを正確に把握し、24H2の要件と比較検討してください。要件を満たしている場合は、事前準備を十分に行った上でアップデートを実行しましょう。要件を満たさない場合は、Windows 10の継続利用またはハードウェアアップグレードを検討することをお勧めします。
2026年現在、Windows 11 24H2は成熟した安定版として提供されており、対応ハードウェアでの動作は非常に安定しています。新しいAI機能や強化されたセキュリティ機能を活用することで、より快適で安全なPC環境を構築できるでしょう。
技術の進歩とともにシステム要件は厳しくなりますが、それは同時により良いユーザー体験を提供するためでもあります。適切な判断と準備により、Windows 11 24H2の恩恵を最大限に活用していただければと思います。

