Windows 11の最新大型アップデート「24H2」がリリースされたものの、「まだ自分のPCに更新が来ない」と待ちくたびれている方も多いのではないでしょうか。
Microsoftは新しいWindows アップデートを段階的に展開する方針を取っているため、すべてのユーザーが同時に更新を受け取れるわけではありません。しかし、「新機能をいち早く試したい」「セキュリティの向上を早期に享受したい」という理由で、手動アップデートを検討している方も少なくないでしょう。
Windows 11 24H2には、AI機能の強化、セキュリティの向上、パフォーマンスの最適化など、多くの魅力的な新機能が含まれています。これらの機能を早期に活用することで、作業効率の向上や新しい体験を得ることができます。
本記事では、Windows 11 24H2への手動アップデートを安全かつ確実に実行する方法を、初心者から上級者まで対応できるよう、複数のアプローチで詳しく解説いたします。基本的なWindows Updateからの方法から、インストールアシスタントやメディア作成ツールを使った上級者向けの方法まで、あなたの技術レベルと環境に応じて最適な方法を選択できるようガイドいたします。
また、アップデート前の重要な準備事項、実行時の注意点、万が一のトラブル時の対処法まで包括的にカバーしており、安心してアップデートを実行できる情報を提供いたします。
Windows 11 24H2 / 25H2アップデートの全体像は「Windows 11 24H2 / 25H2アップデート完全ガイド|違い・対応CPU・不具合まで総まとめ【最新版】」をご覧ください。
Windows 11 24H2の新機能と改善点
Windows 11 24H2は、2024年10月にリリースされた大型アップデートで、ユーザーエクスペリエンスの大幅な向上が図られています。
AI機能の強化とCopilot統合
24H2では、AI機能が大幅に強化されており、日常的なPC作業がより効率的になります。Windows Copilotがより深くシステムに統合され、ファイル検索、設定変更、アプリケーション操作をより自然な言語で実行できるようになりました。
特に注目すべきは、ローカルでのAI処理能力の向上です。インターネット接続がない環境でも、基本的なAI支援機能が利用できるため、プライバシーを重視するユーザーにとって大きなメリットとなります。
セキュリティ強化とプライバシー保護
24H2では、Windows Defender の検知精度が向上し、新しいタイプのマルウェアやフィッシング攻撃に対する防御力が強化されています。また、個人情報の扱いがより透明化され、ユーザーが自分のデータがどのように使用されているかをより詳細に把握できるようになりました。
パスワードレス認証の機能も拡張され、Windows Hello for Business の導入がより簡単になっています。
パフォーマンスと電力管理の最適化
システム全体のパフォーマンスが向上しており、特に起動時間の短縮とアプリケーションの応答性向上が実現されています。バックグラウンドプロセスの効率化により、CPUとメモリの使用量が最適化されています。
ノートPCユーザーにとって嬉しいのは、電力管理の改善によるバッテリー持続時間の向上です。スリープ状態からの復帰も高速化されており、モバイル作業の効率が大幅に向上しています。
手動アップデート前の準備と注意事項
Windows 11 24H2への手動アップデートを成功させるためには、事前準備が極めて重要です。
システム要件の確認
まず、お使いのPCがWindows 11 24H2の要件を満たしているか確認する必要があります。基本的な要件は以下の通りです:
- プロセッサ:1GHz以上で2コア以上の64ビット互換プロセッサまたはSystem on a Chip(SoC)
- RAM:4GB以上
- ストレージ:64GB以上の利用可能なストレージ
- TPM:TPM バージョン2.0
- セキュアブート:セキュアブート対応
これらの要件を満たしていない場合、アップデートは実行できませんので、必ず事前に確認してください。
データのバックアップ
アップデート前には、必ず重要なデータのバックアップを取ることを強く推奨します。通常、Windows アップデートでデータが失われることは稀ですが、万が一に備えることは重要です。
以下の方法でバックアップを実行できます:
ファイル履歴機能の利用:Windows 標準のバックアップ機能を使用して、ドキュメント、写真、音楽などの個人ファイルを自動的にバックアップできます。
システムイメージの作成:コントロールパネルの「バックアップと復元」から、システム全体のイメージバックアップを作成することができます。
クラウドストレージの活用:OneDrive、Google Drive、Dropboxなどのクラウドサービスを利用して、重要なファイルを安全な場所に保存することも有効です。
ソフトウェアとドライバーの互換性確認
使用しているソフトウェアやハードウェアドライバーが24H2と互換性があるかを確認することも重要です。特に業務で使用している専用ソフトウェアがある場合は、開発元に24H2対応状況を確認することをお勧めします。
古いドライバーが原因でアップデート後に問題が発生することがあるため、事前に最新のドライバーに更新しておくことも効果的です。
Windows Updateからの手動アップデート方法
最も基本的で安全な手動アップデート方法は、Windows Update機能を使用することです。
設定アプリからの操作
Windows 11の設定アプリを開いて、「Windows Update」セクションにアクセスします。通常であれば「更新プログラムのチェック」ボタンをクリックするだけで、利用可能なアップデートが表示されます。
ただし、24H2が段階的展開中の場合、この方法では表示されない可能性があります。そのような場合は、以下の手順を試してください:
手動チェックの反復実行:数時間おきに「更新プログラムのチェック」を実行することで、アップデートが利用可能になった瞬間を捉えることができます。
詳細オプションの確認:Windows Updateの詳細オプションで「可能な場合は、Windows Update で機能更新プログラムをすぐに受け取る」オプションが有効になっていることを確認してください。
Windows Updateトラブルシューターの活用
Windows Updateが正常に動作しない場合は、内蔵のトラブルシューターを実行することで問題を解決できる場合があります。
設定アプリの「システム」→「トラブルシューティング」→「その他のトラブルシューター」から「Windows Update」を選択し、トラブルシューターを実行してください。
インストールアシスタントを使った手動アップデート
Windows Updateで24H2が表示されない場合、Microsoft公式のWindows 11インストールアシスタントを使用することで、確実に手動アップデートを実行できます。
インストールアシスタントのダウンロードと実行
Microsoft公式サイトから「Windows 11インストールアシスタント」をダウンロードします。これは約3MBの小さなアプリケーションですが、実際のアップデートファイルは実行時にダウンロードされます。
ダウンロードした「Windows11InstallationAssistant.exe」を管理者権限で実行すると、自動的にシステムの互換性チェックが開始されます。互換性に問題がなければ、「同意してインストール」ボタンが有効になります。
アップデートプロセスの実行
インストールアシスタントを使用したアップデートは、以下の段階で進行します:
ダウンロード段階:必要なファイル(通常4-5GB程度)がバックグラウンドでダウンロードされます。この間もPCは通常通り使用できますが、インターネット接続は安定している必要があります。
インストール準備:ダウンロード完了後、システムは自動的にインストール準備を開始します。この段階でアプリケーションの互換性チェックも実行されます。
再起動とインストール:準備が完了すると、システムの再起動が促されます。再起動後、実際のインストールプロセスが開始され、複数回の再起動を経て完了します。
注意事項と推奨環境
インストールアシスタントを使用する際は、以下の点にご注意ください:
電源接続の確保:ノートPCの場合は、必ずACアダプターを接続してください。アップデート中の電源切れはシステム破損の原因となります。
十分な空き容量:システムドライブに最低20GB以上の空き容量があることを確認してください。
ウイルス対策ソフトの一時停止:一部のウイルス対策ソフトがアップデートを妨げる場合があるため、信頼できる環境であれば一時的に無効化することを検討してください。
メディア作成ツール・ISOファイルでのアップデート
上級者向けの方法として、メディア作成ツールを使用してISOファイルを作成し、そこからアップデートする方法があります。
メディア作成ツールの使用方法
Microsoft公式サイトから「メディア作成ツール」をダウンロードし、実行します。ツールを起動すると、「このPCを今すぐアップグレードする」と「別のPCのインストールメディアを作成する」の選択肢が表示されます。
即座にアップデートしたい場合は「このPCを今すぐアップグレードする」を選択してください。この方法では、最新のWindows 11 24H2ファイルが直接ダウンロードされ、アップデートが実行されます。
ISOファイル作成とマウント方法
より柔軟なアップデート方法として、ISOファイルを作成する方法もあります。メディア作成ツールで「別のPCのインストールメディアを作成する」を選択し、「ISOファイル」を選択することで、Windows 11 24H2のISOファイルを作成できます。
作成されたISOファイルは、ダブルクリックでマウントし、setup.exeを実行することでアップデートできます。この方法の利点は、複数のPCでアップデートする場合に、毎回ダウンロードする必要がないことです。
企業環境での活用
企業環境では、ネットワーク管理者がISOファイルを一度ダウンロードし、内部ネットワーク経由で配布することで、インターネット帯域の負荷を軽減できます。
ただし、企業環境でのアップデートは、IT部門と相談の上、適切な検証とロールアウト計画に基づいて実行することが重要です。
アップデート後の設定と確認項目
Windows 11 24H2へのアップデートが完了した後は、以下の確認と設定を行うことをお勧めします。
システム情報の確認
まず、アップデートが正常に完了したことを確認しましょう。「設定」→「システム」→「詳細情報」から、OSのバージョンが「22H2」から「24H2」に更新されていることを確認してください。
また、「Windows Update」セクションで追加の更新プログラムがないかも確認し、あれば適用してください。
ドライバーとソフトウェアの動作確認
アップデート後は、重要なソフトウェアとハードウェアデバイスが正常に動作することを確認してください:
デバイスマネージャーの確認:黄色い警告マークが表示されているデバイスがないか確認し、必要に応じてドライバーを更新してください。
アプリケーションの起動確認:業務で使用している重要なソフトウェアが正常に起動し、機能することを確認してください。
周辺機器の動作確認:プリンター、スキャナー、外付けハードディスクなど、接続している周辺機器が正常に認識され、動作することを確認してください。
新機能の設定と活用
24H2で追加された新機能を活用するため、以下の設定を確認してください:
プライバシー設定の見直し:新しいプライバシーオプションが追加されている可能性があるため、設定を確認し、必要に応じて調整してください。
AI機能の設定:Copilot などのAI機能を使用する場合は、適切な権限設定を行ってください。
セキュリティ機能の確認:Windows Defenderの新機能や設定オプションを確認し、セキュリティレベルが適切に設定されていることを確認してください。
トラブルシューティングと対処法
アップデートプロセスで問題が発生した場合の対処法を説明します。
アップデートが失敗する場合
アップデートが途中で失敗する場合は、以下の対処法を試してください:
ディスク容量の確保:システムドライブの容量不足が原因の場合が多いため、不要なファイルを削除して十分な空き容量を確保してください。
Windows Updateコンポーネントのリセット:Windows Updateサービスをリセットすることで、破損したコンポーネントを修復できる場合があります。
システムファイルチェッカーの実行:コマンドプロンプトを管理者権限で開き、「sfc /scannow」コマンドを実行してシステムファイルの整合性を確認してください。
互換性問題の解決
古いソフトウェアやドライバーが原因で問題が発生する場合:
互換モードの使用:問題のあるソフトウェアを右クリックし、「プロパティ」→「互換性」タブから、以前のWindowsバージョンとの互換モードで実行を試してください。
ドライバーのロールバック:デバイスマネージャーから問題のあるデバイスのドライバーを以前のバージョンにロールバックすることができます。
システムの復元:重大な問題が発生した場合は、システムの復元機能を使用して、アップデート前の状態に戻すことも可能です。
サポートリソースの活用
自力での解決が困難な場合は、以下のリソースを活用してください:
Microsoft公式サポート:Microsoft公式サイトのサポートセクションで、既知の問題と解決策を確認できます。
Windows コミュニティ:Microsoft コミュニティフォーラムでは、他のユーザーや専門家からアドバイスを受けることができます。
専門業者への相談:企業環境や重要なシステムでの問題は、IT専門業者への相談も検討してください。
よくある質問(FAQ)
Q1: Windows 11 24H2への手動アップデートは安全ですか?
A1: Microsoft公式の方法を使用する限り、手動アップデートは安全です。ただし、事前のバックアップとシステム要件の確認は必須です。特にインストールアシスタントやメディア作成ツールは、Microsoft公式サイトからダウンロードすることを強く推奨します。
非公式なツールやサイトからのダウンロードは避け、必ず https://www.microsoft.com からアクセスしてください。
Q2: アップデート中にPCが使えなくなる時間はどのくらいですか?
A2: 手動アップデートの所要時間は、PCの性能とインターネット接続速度により異なりますが、一般的に以下の時間が目安となります:
- ダウンロード:30分〜2時間(接続速度による)
- インストール:30分〜1時間
- 設定とファイナライズ:15分〜30分
合計で1時間半〜3時間程度を見込んでおくことをお勧めします。ダウンロード中は通常通りPCを使用できますが、インストール開始後は使用できなくなります。
Q3: アップデートに失敗した場合、データは失われますか?
A3: 通常のアップデート失敗では、個人データが失われることはありません。Windowsは自動的に以前の状態に復元します。ただし、万が一に備えて事前バックアップは必須です。
システムファイルの破損などの重大な問題が発生した場合でも、「システムの復元」機能を使用することで、アップデート前の状態に戻すことができます。
Q4: 企業環境でも同様の手順でアップデートできますか?
A4: 企業環境では、追加の考慮事項があります。Active Directoryでの管理、グループポリシーの影響、業務アプリケーションの互換性など、IT部門との調整が必要です。
Windows Update for Business やWindows Server Update Services(WSUS)を使用している環境では、管理者の許可なしに手動アップデートを実行すべきではありません。必ずIT部門に相談してください。
Q5: アップデート後に元のバージョンに戻すことはできますか?
A5: アップデート完了後10日間以内であれば、「設定」→「システム」→「回復」から「復元」オプションを使用して、以前のWindows バージョンに戻すことができます。
ただし、この期間を過ぎるとこのオプションは利用できなくなるため、問題を発見した場合は早めに対処することが重要です。復元を実行する前に、重要なデータのバックアップを取ることをお勧めします。
Q6: 古いPCでも24H2にアップデートできますか?
A6: Windows 11の最小要件を満たしていれば、古いPCでもアップデートは可能です。ただし、TPM 2.0、セキュアブート、UEFI対応など、ハードウェア要件が厳しいため、2017年以前のPCでは難しい場合があります。
PC Health Checkアプリを使用して、事前にハードウェア互換性を確認することを強くお勧めします。要件を満たしていない場合は、Windows 10の継続使用を検討してください。
Q7: アップデート後、PCが重くなることはありますか?
A7: 24H2は全体的にパフォーマンスが向上していますが、古いハードウェアでは一時的に動作が重く感じられる場合があります。これは新機能の初期化やインデックス作成が原因です。
通常、アップデート後数日から1週間程度で安定します。持続的に重い場合は、ドライバーの更新や不要なスタートアッププログラムの無効化を検討してください。
まとめ:Windows11 24H2手動アップデート方法
Windows 11 24H2への手動アップデートは、適切な準備と方法を選択すれば、安全かつ確実に実行できるプロセスです。本記事で紹介した3つの主要な方法をまとめると:
Windows Update: 最も安全で簡単な方法です。まずはこの方法を試し、24H2が表示されるかを確認してください。段階的展開中でも、定期的にチェックすることで利用可能になる場合があります。
インストールアシスタント: Windows Updateで表示されない場合の確実な選択肢です。Microsoft公式ツールなので安全性が高く、自動化されたプロセスにより技術的な知識が少なくても実行できます。
メディア作成ツール・ISO: 上級者向けの方法で、複数PCでのアップデートや企業環境での活用に適しています。より柔軟性がありますが、技術的な理解が必要です。
いずれの方法を選択する場合でも、以下の重要なポイントを忘れずに実行してください:
事前準備の徹底:システム要件の確認、データのバックアップ、ソフトウェアの互換性チェックは必須です。これらを怠ると、後でより大きな問題に発展する可能性があります。
安定した環境での実行:十分な電源確保、安定したインターネット接続、静かな環境でアップデートを実行してください。途中での中断は避けるべきです。
アップデート後の確認:プロセス完了後は、システムの動作確認と新機能の設定を適切に行い、24H2の恩恵を最大限に活用してください。
Windows 11 24H2は、AI機能の強化、セキュリティの向上、パフォーマンスの最適化など、多くの価値ある改善を提供します。手動アップデートによって、これらの新機能を早期に活用し、より快適で安全なPC体験を実現してください。
万が一、アップデート中に問題が発生した場合でも、本記事で紹介したトラブルシューティング方法を参考に、冷静に対処していただければと思います。また、自力での解決が困難な場合は、Microsoft公式サポートや専門家への相談も選択肢として考慮してください。
適切な準備と正しい手順により、Windows 11 24H2への手動アップデートを成功させ、最新のWindows体験をお楽しみください。

