「Notionのあのページ、他の人に見られたくないんだけど、パスワードってかけられるの?」
仕事でもプライベートでも、Notionには見られたくない情報が増えていきますよね。クライアント情報、アイデアメモ、個人的な日記、そして大切なパスワードリスト…。誰にでも「このページだけは絶対に保護したい」という思いがあるはずです。
でも、いざ「Notion パスワードをかける」で検索しても、情報がバラバラで結局どうすればいいのか分からない。そんな経験、ありませんか?
実は、Notionのページに直接パスワードをかける機能は存在しません。でも、安心してください。この記事では、Notionで情報を安全に保護するための代替方法を全て解説します。さらに、Notionを使ってパスワード情報を管理する方法まで、徹底的にお伝えします。
この記事を読めば、あなたのNotionワークスペースは今日から鉄壁のセキュリティに生まれ変わります。
Notionのページにパスワード保護機能は存在するのか?【2025年最新】
まず最初に、多くの方が知りたがっている核心的な質問にお答えします。
結論:直接的なパスワード機能は未実装
2025年10月現在、Notionには特定のページに対して直接パスワードを設定する機能は実装されていません。Notion公式ヘルプセンターでも、この点は明確に述べられています。
つまり、「このページを開くにはパスワードを入力してください」というような、PDFファイルやWordドキュメントで見かけるような保護機能は、残念ながらNotionには存在しないのです。
これは多くのユーザーにとって意外な事実かもしれません。なぜなら、Notionは非常に高機能なツールであり、「パスワード保護くらい当然あるだろう」と思ってしまうからです。
なぜパスワード機能がないのか
Notionがページ単位のパスワード保護機能を提供していない理由は、その設計思想にあります。
Notionは「コラボレーション」を重視したツールとして設計されています。チームメンバーやプロジェクト関係者との情報共有を円滑に行うことが主目的であり、細かなページ単位でのアクセス制御よりも、ワークスペース全体やページグループでの権限管理を優先しているのです。
また、パスワード管理は意外と複雑です。パスワードを忘れた場合のリカバリー、パスワードの変更、複数人でのパスワード共有など、考慮すべき点が多岐にわたります。Notionはこうした複雑さを避け、よりシンプルな権限管理モデルを採用しているのです。
将来的な実装の可能性
では、今後パスワード保護機能が追加される可能性はあるのでしょうか?
Notionの公式ロードマップや機能要望フォーラムを見ると、パスワード保護機能を求める声は確かに存在します。しかし、優先度の高い機能として位置づけられているわけではありません。
その代わり、Notionは2025年1月にパスキー(Passkey)機能を導入しました。これはアカウントレベルのセキュリティを大幅に強化するもので、Notionの方向性として「ページ単位の保護」よりも「アカウント全体の堅牢なセキュリティ」を重視していることが分かります。
現時点では、ページ単位のパスワード保護機能が実装される具体的な予定はありませんが、Notionの機能は常に進化しています。今後のアップデートに期待しつつ、現在利用可能な代替方法を活用していくのが賢明です。
Notionページを保護する5つの代替方法
パスワード機能がないからといって、諦める必要はありません。Notionには情報を保護するための様々な方法が用意されています。ここでは、実用的な5つの代替方法を詳しく解説します。
方法1:プライベートページ機能を活用
最もシンプルで効果的な方法が、Notionの「プライベート」セクションを活用することです。
設定手順:
- Notionの左側サイドバーで「プライベート」セクションを確認
- 保護したいページを「プライベート」内に移動、または新規作成
- このセクション内のページは、自分以外の誰もアクセスできません
メリット:
- 設定が非常に簡単
- 完全に自分だけがアクセス可能
- 無料プランでも利用可能
デメリット:
- ワークスペース内の他メンバーと共有できない
- チーム作業には不向き
適用ケース: 個人的なメモ、日記、アイデアノート、個人用のパスワードリストなど、絶対に自分だけで管理したい情報に最適です。
方法2:ゲスト共有の権限設定
特定の人とだけ共有したい場合は、ゲスト機能と詳細な権限設定を組み合わせます。
設定手順:
- ページ右上の「共有」ボタンをクリック
- 「招待」欄にゲストのメールアドレスを入力
- 権限レベルを選択:
- 「フルアクセス」:編集可能
- 「編集可能」:内容の変更が可能
- 「コメント可能」:コメントのみ追加可能
- 「閲覧のみ」:読み取り専用
メリット:
- 柔軟な権限管理が可能
- 必要な人にだけアクセスを許可
- 権限の変更や削除が簡単
デメリット:
- ゲストごとに個別設定が必要
- 大人数になると管理が煩雑
適用ケース: クライアントとの共有資料、外部協力者との情報交換、期間限定のプロジェクト資料など。
方法3:ワークスペースレベルでの制限
組織やチームで利用している場合、ワークスペース全体でのセキュリティ設定が有効です。
チーム機能の活用:
- チームスペース内でページを作成すると、そのチームメンバーのみがアクセス可能
- 部署やプロジェクトごとにチームを分けることで、情報の分離が実現
グループ権限の設定:
- 設定画面から「メンバー」を選択
- グループを作成(例:「マネージャー」「開発チーム」など)
- グループごとに権限を一括設定
エンタープライズプランの高度な機能:
- SAML SSO(シングルサインオン)
- 詳細な監査ログ
- 高度なセキュリティポリシー設定
- ゲストの一括管理
適用ケース: 企業での機密情報管理、部門別の情報分離、大規模プロジェクトでの権限管理など。
方法4:外部暗号化ツールとの連携
より高度なセキュリティが必要な場合、外部の暗号化ツールを埋め込む方法があります。
TXT-Crypterなどの埋め込み型ツールの活用:
- TXT-Crypter(https://txt-crypter.com/)などの暗号化サービスにアクセス
- 保護したいテキストを入力し、パスワードを設定
- 生成された暗号化テキストまたは埋め込みコードをNotionに貼り付け
- 閲覧時にはパスワード入力が必要になる
実装手順(埋め込みの場合):
- Notionページで「/embed」と入力
- 暗号化ツールのURLを貼り付け
- ページ内に暗号化フォームが表示される
セキュリティ上の注意点:
- 外部サービスの信頼性を確認すること
- 無料サービスの場合、サービス終了のリスクを考慮
- パスワードは別途安全に管理
- 重要な機密情報の場合は、企業向けの有料暗号化サービスを推奨
適用ケース: 高度な機密情報、パスワードやAPIキーの保管、コンプライアンス要件が厳しい情報など。
方法5:二段階認証・パスキーでアカウント保護
ページ単位ではなく、Notionアカウント自体のセキュリティを強化する方法です。
パスキー設定方法(2025年新機能):
- Notionの設定画面を開く
- アカウント名 → 「アカウントセキュリティ」を選択
- 「パスキーを追加」をクリック
- 保存場所を選択:
- iCloudキーチェーン
- Googleパスワードマネージャー
- 1Password、Bitwardenなどのパスワードマネージャー
- YubiKeyなどのハードウェアセキュリティキー
- Face IDやTouch IDなどで認証を完了
パスキーの利点:
- パスワードを覚える必要がない
- フィッシング攻撃に強い
- デバイスの生体認証で簡単ログイン
- 秘密鍵がデバイス内に保管され、漏洩リスクが低い
二段階認証の有効化:
- 設定画面で「二段階認証」を選択
- 認証アプリ(Google Authenticator、Authyなど)を設定
- バックアップコードを安全に保管
デバイス管理のベストプラクティス:
- 複数のパスキーを設定してバックアップを確保
- 使用しなくなったデバイスのアクセスを削除
- 定期的にログイン履歴を確認
- 不審なアクティビティがあれば即座にパスワード変更
適用ケース: 全てのNotionユーザーに推奨。特にビジネス利用や機密情報を扱う場合は必須です。
Notionで安全にパスワード情報を管理する方法
ここまではNotionのページを保護する方法を解説しました。ここからは視点を変えて、「Notionを使ってパスワード情報を安全に管理する方法」を解説します。
パスワード管理データベースの構築
Notionのデータベース機能を活用すれば、効率的なパスワード管理システムを構築できます。
データベース設計のポイント:
- 基本構造の作成
- 新しいページで「/database」と入力し、テーブルを作成
- ページはプライベートセクション内に配置
- 必須プロパティの設定
- サービス名(タイトル):Webサイトやアプリの名称
- ユーザーID/メールアドレス(テキスト)
- パスワード(テキスト):暗号化推奨
- URL(URL):ログインページへの直接リンク
- 登録日(日付)
- 最終更新日(日付)
- 便利な追加プロパティ
- カテゴリー(セレクト):仕事、個人、金融、SNSなど
- 重要度(セレクト):高、中、低
- 二段階認証(チェックボックス):有効/無効
- 備考(テキスト):秘密の質問や追加情報
- 次回更新日(日付):パスワード更新のリマインダー
テンプレート紹介:
【サービス名】
・ユーザーID: example@email.com
・パスワード: ********(暗号化推奨)
・URL: https://example.com/login
・カテゴリー: 仕事
・重要度: 高
・二段階認証: ✓有効
・登録日: 2025/10/01
・次回更新: 2026/01/01
・備考: 秘密の質問「初めてのペットの名前」→ Taro
セキュリティを高める工夫
パスワード情報をNotionで管理する際は、以下のセキュリティ対策が不可欠です。
暗号化の方法:
- 重要なパスワードは平文で保存しない
- TXT-Crypterなどの暗号化ツールを使用
- 暗号化されたテキストをNotionに保存
- 復号化用のマスターパスワードは別途安全に管理
アクセス制限の設定:
- パスワード管理ページは必ずプライベートに配置
- 共有は絶対に行わない
- 公開リンクの作成は厳禁
バックアップ戦略:
- 定期的にエクスポート機能でバックアップ
- エクスポートしたファイルは暗号化して保存
- クラウドストレージと物理メディアの二重バックアップ
- バックアップの復元テストを定期的に実施
追加のセキュリティTips:
- パスワードには規則性を持たせない
- 推測されやすい情報(誕生日、名前など)は避ける
- 同じパスワードの使い回しは絶対NG
- パスワード生成ツールを活用
- 3〜6ヶ月ごとの定期的な更新
他のパスワード管理ツールとの比較
Notionでのパスワード管理は万能ではありません。専用ツールとの比較を理解しておきましょう。
1Password、Bitwardenとの違い:
| 機能 | Notion | 1Password | Bitwarden |
|---|---|---|---|
| 専用設計 | ✗ | ✓ | ✓ |
| 自動入力 | ✗ | ✓ | ✓ |
| 暗号化 | 手動必要 | 自動 | 自動 |
| パスワード生成 | ✗ | ✓ | ✓ |
| ブラウザ拡張 | ✗ | ✓ | ✓ |
| セキュリティ監査 | ✗ | ✓ | ✓ |
| 柔軟なカスタマイズ | ✓ | △ | △ |
| 他情報との統合 | ✓ | ✗ | ✗ |
Notionを使うメリット:
- パスワード以外の関連情報も一緒に管理できる
- カスタマイズ性が非常に高い
- 既にNotionを使っていれば追加コストなし
- ビューやフィルター機能で柔軟な整理が可能
- チーム内での限定的な共有が可能(要注意)
Notionを使うデメリット:
- 自動入力機能がない(毎回コピペが必要)
- 暗号化が自動ではない
- パスワード管理専用の高度な機能がない
- セキュリティ監査機能がない
- 脆弱なパスワードの検出ができない
使い分けの提案:
Notionが向いているケース:
- パスワード数が少ない(20個以下)
- 関連情報と一緒に管理したい
- 柔軟なカテゴリー分類が必要
- 既にNotionを日常的に使用している
専用ツールが向いているケース:
- パスワード数が多い(20個以上)
- 自動入力機能が必須
- 最高レベルのセキュリティが必要
- 複数デバイスでの同期が重要
- ビジネスで厳格なセキュリティ基準がある
理想的な組み合わせ:
- 日常的なWebサービス → 1PasswordやBitwarden
- プロジェクト関連の共有情報 → Notion
- 個人的なメモと紐づく情報 → Notion
セキュリティ専門家が教えるNotion運用のベストプラクティス
ここからは、より実践的なセキュリティ運用について解説します。
情報分類とアクセス管理
機密度別の管理方法:
- 機密レベル:高(経営情報、個人情報、認証情報)
- プライベートセクションに配置
- 共有は最小限の必要な人のみ
- 閲覧ログの定期確認
- 暗号化の徹底
- 機密レベル:中(社内資料、プロジェクト情報)
- チームスペースで管理
- 権限は「編集可能」または「コメント可能」
- 定期的な権限見直し
- 機密レベル:低(公開情報、一般的なナレッジ)
- ワークスペース全体で共有可能
- 必要に応じて外部公開も検討
共有範囲の設計思想:
- 「最小権限の原則」を徹底:必要最小限の人に、必要最小限の権限を
- 「Need to Know」基準:本当に知る必要がある人だけに共有
- デフォルトは「非公開」:公開する理由がある場合のみ共有
定期的な権限見直し:
- 月次:ゲストユーザーの棚卸し
- 四半期:チーム権限の最適化
- 年次:全体的なアクセス権限の監査
- プロジェクト終了時:関係者のアクセス削除
よくあるセキュリティミス
実際に起こりがちなミスと、その対策を知っておきましょう。
公開リンクの誤設定:
- ミス例:「リンクを知っている人全員」で共有設定し、そのURLが社外に流出
- 対策:共有リンクは必ず「特定の人」に限定。公開リンクは本当に必要な場合のみ
- 確認方法:定期的に「共有」ボタンから設定を見直す
ゲスト権限の放置:
- ミス例:プロジェクト終了後もゲストのアクセス権限が残ったまま
- 対策:プロジェクト終了時のチェックリストに「アクセス権限の削除」を追加
- ツール活用:Notionの「メンバー管理」画面で定期的に整理
デバイス紛失時のリスク:
- ミス例:ログイン状態のスマホやPCを紛失し、情報が閲覧される
- 対策:
- 全デバイスでパスキーまたは二段階認証を有効化
- デバイスのロック画面設定を必須に
- リモートワイプ機能の設定
- 紛失時は即座にNotionからデバイスのセッションを削除
パスワードの共有方法のミス:
- ミス例:Notionのコメント欄やチャットでパスワードを平文で共有
- 対策:
- 暗号化ツールを使用
- パスワードと復号鍵は別経路で共有
- 一時的な共有は終了後すぐにパスワード変更
インシデント発生時の対処法
万が一、セキュリティインシデントが発生した場合の対応を知っておきましょう。
不正アクセスの検知方法:
- Notionの「設定」→「アカウント」→「セキュリティ」でログイン履歴を確認
- 身に覚えのないログイン場所や時間帯がないかチェック
- アクティブなセッション一覧を確認
- ページの編集履歴で不審な変更がないか確認
緊急時の対応フロー:
Step 1:即座の対応(5分以内)
- 全デバイスのNotionセッションをログアウト
- パスワードを複雑なものに変更
- 二段階認証が無効になっていれば再設定
Step 2:影響範囲の確認(30分以内)
- どのページが閲覧された可能性があるか確認
- 機密情報の漏洩リスクを評価
- 関係者への連絡が必要か判断
Step 3:再発防止策(24時間以内)
- パスキーの設定
- アクセス権限の全面見直し
- セキュリティポリシーの再確認
- 必要に応じて機密情報の変更(パスワード変更など)
Step 4:報告と記録(1週間以内)
- インシデントレポートの作成
- 上長や関係部署への報告
- 再発防止策の文書化と共有
ログ確認の手順:
- Notion設定画面を開く
- 「メンバー」→「ゲスト」タブで外部アクセスを確認
- ページごとの「更新履歴」で変更内容を追跡
- エンタープライズプランの場合、監査ログで詳細な活動記録を確認
用途別:Notionセキュリティ設定の実践例
理論だけでなく、実際の使用シーンに応じた設定例を見ていきましょう。
個人利用でのセキュリティ設定
基本構成:
- フリープランまたはプラスプランを使用
- 全てのページを「プライベート」セクションで管理
- パスキー認証を設定
具体的な設定ステップ:
- アカウントセキュリティの強化
- パスキーを2つ設定(メインデバイスとバックアップ用)
- 二段階認証も併用
- 復旧用のバックアップコードを安全な場所に保管
- ページ構成の最適化
- 「日記」「アイデア」「パスワード管理」など目的別にページを作成
- 全てプライベートセクション内に配置
- 共有は一切行わない
- 定期的なメンテナンス
- 月1回:不要なページの整理
- 3ヶ月に1回:パスワードの更新
- 半年に1回:バックアップの実行とテスト
おすすめツール連携:
- カレンダーアプリと連携して予定管理
- Zapierで自動バックアップ
- デバイスの暗号化機能を併用
チーム・企業での運用方法
推奨プラン:
- チームプラン以上(できればエンタープライズ)
- SAML SSOの設定
- 管理者権限の厳格な管理
権限体系の設計:
- 管理者層(Admin)
- ワークスペース全体の設定権限
- メンバー管理権限
- セキュリティポリシーの設定
- 部門管理者(Team Admin)
- 自部門のチームスペース管理
- 部門メンバーの権限設定
- 部門内情報の監督
- 一般メンバー(Member)
- 自チームのページ編集権限
- 必要なページへの閲覧権限
- 新規ページの作成権限
- ゲスト(Guest)
- 特定ページのみの限定アクセス
- 編集権限は原則なし
- 期間限定での設定
部門別アクセス制御の実例:
営業部門:
- 顧客情報データベース:営業部メンバーのみ
- 提案資料テンプレート:全社閲覧可能
- 個別商談記録:担当者とマネージャーのみ
開発部門:
- 技術ドキュメント:開発部メンバーのみ
- API認証情報:シニアエンジニアのみ
- プロジェクト進捗:関係部署と共有
人事部門:
- 人事評価データ:人事部長と担当者のみ
- 社内規程:全社閲覧可能
- 採用情報:人事部と経営陣のみ
監査ログの活用(エンタープライズプラン):
- 週次でログを確認
- 異常なアクセスパターンを検知
- コンプライアンス要件への対応
- インシデント発生時の証跡確保
外部協力者との安全な情報共有
フリーランサーや業務委託先との情報共有は特に注意が必要です。
期間限定アクセスの設定:
- 契約開始時
- ゲストとして招待
- 必要最小限のページのみ共有
- 「閲覧のみ」または「コメント可能」権限から開始
- プロジェクト進行中
- 必要に応じて権限を拡大
- 週次でアクセス状況を確認
- 機密情報は別途暗号化
- 契約終了時
- 即座にゲストアクセスを削除
- 共有していたページの内容確認
- 必要に応じてパスワードや認証情報を変更
閲覧専用権限の活用:
- 参考資料として提供する場合
- フィードバックが不要な完成物
- 一方向の情報提供
実践的な共有テンプレート:
【外部協力者向け共有設定】
・対象者:[氏名・会社名]
・契約期間:2025/10/01〜2025/12/31
・共有ページ:プロジェクトAの資料フォルダのみ
・権限レベル:コメント可能
・アクセス制限:週次で確認
・終了時対応:契約終了日にアクセス削除、関連パスワード変更
契約終了時の対応チェックリスト:
- [ ] ゲストアクセスの削除実行
- [ ] 共有ページ内の機密情報確認
- [ ] 必要に応じてページ内容のアーカイブ
- [ ] パスワードや認証情報の変更
- [ ] 成果物の納品確認
- [ ] アクセスログの最終確認
よくある質問(FAQ)
Q1: Notionのページに第三者がアクセスできないようにする一番簡単な方法は?
A: 最も簡単で確実な方法は、ページを「プライベート」セクションに配置することです。
左側サイドバーの「プライベート」内にページを作成、または既存ページを移動すれば、自分以外は誰もアクセスできなくなります。設定は不要で、移動するだけで完了します。
ただし、この方法は「完全に自分だけで管理する」場合に限ります。特定の人と共有したい場合は、ページの「共有」ボタンから個別にゲスト招待を行い、適切な権限(閲覧のみ、コメント可能など)を設定してください。
Q2: パスワード保護機能は今後実装される予定はありますか?
A: 2025年10月時点で、Notionがページ単位のパスワード保護機能を実装する具体的な予定は公式には発表されていません。
Notionの開発方針として、ページ単位の細かい保護よりも、ワークスペース全体のセキュリティ強化に注力しています。その証拠に、2025年1月には「パスキー」機能が導入され、アカウントレベルのセキュリティが大幅に向上しました。
機能要望フォーラムではパスワード保護を求める声もありますが、優先度は高くありません。当面は、この記事で紹介した代替方法(プライベート設定、権限管理、暗号化ツール連携など)を活用することをおすすめします。
Notionの機能は常に進化しているため、公式ブログやアップデート情報を定期的にチェックすることで、新機能をいち早くキャッチできます。
Q3: 無料プランでもセキュリティ設定は可能ですか?
A: はい、無料プランでも基本的なセキュリティ設定は十分に可能です。
無料プランで利用できるセキュリティ機能:
- プライベートページの作成(完全に自分だけがアクセス)
- ゲスト招待と権限設定(最大10名まで)
- パスキー認証の設定
- 二段階認証の有効化
- デバイスごとのログアウト
- 基本的な共有設定
有料プランで追加される機能:
- 無制限のゲスト招待(プラスプラン以上)
- チームスペースでのグループ権限管理(チームプラン以上)
- 監査ログの閲覧(エンタープライズプラン)
- SAML SSO(エンタープライズプラン)
- 高度なセキュリティポリシー(エンタープライズプラン)
個人利用や小規模チーム(10名以下)であれば、無料プランのセキュリティ機能で十分に対応できます。ビジネス利用で厳格なセキュリティが必要な場合のみ、有料プランを検討すればよいでしょう。
Q4: モバイルアプリでもパスキーは使えますか?
A: はい、iOSおよびAndroidのNotionモバイルアプリでもパスキーが利用できます。
モバイルでのパスキー設定方法:
- iOS(iPhone/iPad)の場合:
- Notionアプリを開く
- 設定 → アカウント名 → アカウントセキュリティ
- 「パスキーを追加」をタップ
- Face IDまたはTouch IDで認証
- iCloudキーチェーンに自動保存
- Androidの場合:
- Notionアプリを開く
- 設定 → アカウント名 → アカウントセキュリティ
- 「パスキーを追加」をタップ
- 指紋認証または画面ロックで認証
- Googleパスワードマネージャーに保存
モバイルでの注意点:
- デバイスの生体認証(Face ID、Touch ID、指紋認証)が有効になっている必要があります
- パスキーはデバイスまたはクラウド(iCloud、Google)に保存されます
- デバイス変更時のために、複数のパスキーを設定しておくことを推奨します
- パスキーを使用しない場合でも、二段階認証コードでログイン可能です
モバイルでのパスキー利用により、外出先でも安全かつ素早くNotionにアクセスできるようになります。
Q5: 外部ツールで暗号化した情報は検索できますか?
A: 残念ながら、外部ツールで暗号化した情報は、Notion内の検索機能では検索できません。
暗号化されたテキストは、Notionから見ると意味不明な文字列として認識されます。そのため、通常の検索では引っかかりません。
検索性を保ちながらセキュリティを高める方法:
- タイトルや見出しは暗号化しない
- 検索用のキーワードは平文のまま
- 本文の機密部分のみを暗号化
- タグやプロパティを活用
- データベースのプロパティ(カテゴリー、タグ)は暗号化せず
- これらで検索とフィルタリングを実現
- 暗号化する情報を限定
- パスワードやAPIキーなど本当に重要な情報のみ暗号化
- それ以外はNotionの権限管理で保護
実践例:
タイトル:AWS本番環境アクセス情報(検索可能)
カテゴリー:インフラ(検索・フィルタ可能)
暗号化部分:
[暗号化されたアクセスキーとシークレット]
→ これは検索不可
完全な暗号化と検索性は両立しにくいため、セキュリティと利便性のバランスを考えて設計することが重要です。
Q6: Notionアカウントがハッキングされたらどうすればいい?
A: 不正アクセスが疑われる場合、以下の緊急対応を即座に実行してください。
即座の対応(5分以内):
- 全セッションの強制ログアウト
- Notion設定 → アカウントセキュリティ
- 「全てのデバイスからログアウト」を実行
- パスワードの即座変更
- 複雑で推測不可能なパスワードに変更
- 他のサービスと同じパスワードは絶対に使わない
- 二段階認証の再設定
- 既存の二段階認証を無効化
- 新しい認証アプリで再設定
被害確認(30分以内):
- ログイン履歴の確認
- 設定 → セキュリティ → ログイン履歴
- 身に覚えのない場所やデバイスからのアクセスをチェック
- ページ編集履歴の確認
- 各ページの「更新履歴」を確認
- 不審な変更や削除がないかチェック
- 共有設定の確認
- 勝手に共有されたページがないか確認
- ゲストに不審なユーザーが追加されていないか確認
二次被害の防止(24時間以内):
- Notionに保存していたパスワードの変更
- 特に重要なアカウント(銀行、メールなど)を優先
- 全てのパスワードを変更するのが理想
- 関係者への連絡
- チームメンバーや共有相手に状況を報告
- 機密情報の漏洩リスクを共有
- Notionサポートへの連絡
- support@makenotion.com にインシデント報告
- 詳細な状況説明と対応履歴を提供
再発防止策:
- パスキー認証の設定(フィッシング耐性が高い)
- 強力な二段階認証の維持
- 定期的なセキュリティ監査
- パスワード管理ツールの導入
ハッキングは誰にでも起こりうるリスクです。日頃から予防策を講じ、万が一の際の対応手順を把握しておくことが重要です。
まとめ:Notionのセキュリティを最大化するために
ここまで、Notionのパスワード保護と安全な運用方法について詳しく解説してきました。最後に、重要なポイントをまとめます。
この記事の核心的な結論:
- Notionには直接的なパスワード保護機能はないが、代替方法で十分なセキュリティを確保できる
- 5つの代替方法を組み合わせることで、ページ単位のパスワード保護以上の安全性を実現可能
- プライベートページ機能
- ゲスト共有の権限設定
- ワークスペースレベルの制限
- 外部暗号化ツールとの連携
- パスキー・二段階認証によるアカウント保護
- Notionでのパスワード管理は、データベース機能と暗号化を組み合わせれば実用的だが、専用ツールとの併用も検討すべき
- セキュリティと利便性のバランスが重要。過度な保護は使いにくさを生み、緩すぎる設定はリスクを高める
今日から始められる3つのアクション:
1. まずはアカウントセキュリティを強化(所要時間:10分)
- パスキーを設定する
- 二段階認証を有効にする
- 全デバイスのログイン状況を確認
2. 情報の整理と権限の見直し(所要時間:30分)
- 機密情報をプライベートセクションに移動
- 不要な共有設定を削除
- ゲストユーザーの棚卸し
3. 長期的なセキュリティ戦略の構築(所要時間:1時間)
- 情報の機密度分類
- アクセス権限のポリシー策定
- 定期的な見直しスケジュールの設定
最後に:セキュリティは「一度設定したら終わり」ではありません。
技術は進化し、脅威も変化します。Notionも常にアップデートされています。定期的に設定を見直し、新機能を活用し、最新のベストプラクティスを学び続けることが、本当の意味での「安全なNotion運用」につながります。
この記事が、あなたのNotionライフをより安全で快適なものにする一助となれば幸いです。大切な情報をしっかり守りながら、Notionの素晴らしい機能を最大限に活用してください。
関連リソース:
- Notion公式ヘルプセンター:https://www.notion.com/help
- Notionセキュリティページ:https://www.notion.com/security
- パスキーについて詳しく:https://www.notion.com/help/passkeys
